“  ここで私から1つの提案です。それは「現代の標準的な食生活を送っていると、私たちは必ず太るのである」という残酷な事実を、まずはきちんと認識することが必要なのではないかということです。大食いや食べ過ぎなどではなく、あくまで標準的なごく普通の食生活を送っていても太ってしまう、というのがポイントです。  考えてみれば、多くの日本人が飢えの心配をしなくて済むようになったのは、この50年ほどのことでしょう。それまでは長い歴史の中で、常に栄養不足の危機にさらされてきたわけです。太古から続く人間の体のメカニズムが

 ここで私から1つの提案です。それは「現代の標準的な食生活を送っていると、私たちは必ず太るのである」という残酷な事実を、まずはきちんと認識することが必要なのではないかということです。大食いや食べ過ぎなどではなく、あくまで標準的なごく普通の食生活を送っていても太ってしまう、というのがポイントです。
 考えてみれば、多くの日本人が飢えの心配をしなくて済むようになったのは、この50年ほどのことでしょう。それまでは長い歴史の中で、常に栄養不足の危機にさらされてきたわけです。太古から続く人間の体のメカニズムがそう簡単に変わるわけではありませんから、食べ物を安定的に摂取すれば、それをため込もうとすること、すなわち太ることはごく当たり前のことと言えます。
 ですから、私たちはその前提に立ち、「食生活改善でダイエット」を実現しようとする願いを、いよいよ諦めるべきなのかもしれません。そうでないと、また次から次へと生まれてくる「究極のダイエット法」にすがりつき、思うようにその成果が出ないことを憂う日々を送ることとなってしまいます。
 食生活によるダイエットがうまくいかないのは、決して私たちの意志が弱いからなどではなく、「現代社会の必然」なのです。そう考えた方が、よほどストレスなく食と向き合うことができるようになるのではないでしょうか。