“辞められない中高年”から反響続々 増え始めた「ネオブラック企業」の真実 ハローワークなどに紹介されて応募し続けても、なかなか再就職できない人たちは少なくない。そんな厳しい雇用状況の中で、これまで“ブラック企業”といえば、夜遅くまでサービス残業させて、会社を辞めさせてしまうイメージがあった。 しかし、“ネオブラック”ともいえる“辞めさせないブラック企業”は、なかなか次の見つからない中高年者の足元を見て、給与や経費を減らしながら働かせ続け、辞めようとすると妨害する。 いずれにしても、こうした会

記事採録
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“辞められない中高年”から反響続々?
増え始めた「ネオブラック企業」の真実
ハローワークなどに紹介されて応募し続けても、なかなか再就職できない人たちは少なくない。そんな厳しい雇用状況の中で、これまで“ブラック企業”といえば、夜遅くまでサービス残業させて、会社を辞めさせてしまうイメージがあった。
しかし、“ネオブラック”ともいえる“辞めさせないブラック企業”は、なかなか次の見つからない中高年者の足元を見て、給与や経費を減らしながら働かせ続け、辞めようとすると妨害する。
いずれにしても、こうした会社で心身を摩耗させた人たちは、履歴の空白が長引くにつれ、いつのまにか地域で「大人の引きこもり」になっていくことも少なくない。
今回は、たくさん寄せられた読者の方のメールの中から、40歳代後半の男性Aさんの話を紹介する。
有給を取ったら賞与が減額!?
経営者は潤う一方、虐げられる社員たち
彼が、今のサービス系の会社に再就職したのは、3年ほど前のこと。実際に勤務を始めると、労働基準監督署に提出している労働基準とはまったく違う給与内容であることがわかった。でも、年齢的に、次の仕事が見つからないであろうと考え、泣く泣く働いて苦しい生活をしているという。(※以下、コメント部分の一部はプライバシー保護のため編集部で加工・修正しています)
<若手は固定で60時間分の残業が付いているのに、私の場合は正味の時間しか給与に反映されません。この差は何なのか…>
Aさんが労働基準監督署に訴えて、会社の就業内容や給与等の情報を調べてみると、「クロの付くものばかり出てきた」という。
<でも、家庭のことを考えると、なかなか会社を辞めることができないのが実情です。
何がアベノミクスだかわからないけど、政治家や行政の給与を一般人に10%/人、回すことによって効果が少しは上がると思うのは私だけだろうか…>
Aさんに改めて詳細な実情を問い合わせると、こんなメールが返ってきた。
<普通の会社ではまず、採用となって出社1日目というのは人事等からいろいろと説明を受けるのが当然だし、勤務するという署名をするはずなのですが、今の会社は一切ありません。また、会社規定に関しても従業員は誰1人知りません。
私の場合、業務がら日曜出勤があるのですが、日曜出勤しても単なる出勤としか扱われません。残業したとしても、平日の残業としか扱われません。偶々、規定を見る事ができたのですが、そこでは休日の場合は、通常の残業に×○.○○%といった記載があるのに、実際はまったく反映されていません。また、有休を使うと賞与が減らされます>
Aさんは、有給取得で賞与が減らされる理由を会社に聞いてみたことがあった。すると、「他の人が仕事している時に休むなんてもってのほかだ」と言われたという。
<だから、パートさんたちは、すぐに辞めてしまう人が多いです。社員は次の仕事が決まらないだろうということで泣き寝入りしている感じです。
営業・集配は、固定残業で月に55時間、残業しようがしまいが必ずつきます。
でも、オーバーしたとしても55時間分しかもらえません。また、安全手当というものがあるのですが、違反・事故するとカットされます。本来、労働した時間に関しては給与に定められているものが支給されるはずなのに…。
出退勤の打刻にしても、(総務・人事)担当の人が上から言われたら改ざんさせられてしまうというのもおかしいことです。
いまの会社の経営者は、創業者(会長)の息子ということで、会社の経費を使いまくりです。何でもかんでも交際費としていますし、経営者という利点を上手く使って、自宅に戻って昼寝とかしています。一方で、経営者は従業員の給与を(自由に)カットするのに、自らの給与をカットしない。また、出社時間までに来ることがなく、毎日遅刻しています>
経営者が経費を使い放題に浪費する一方で、従業員の給与や経費は削減され続けているという“ネオブラック”の実態は、他にもいくつかメールをいただいた。どこもAさんの会社と同じようなスキームなので、ここでは省略させていただく。
「日本中にブラック企業があるのでは?」
共感した読者からの反響も続々
読者からは、このようなメールも頂いている。
<中高年退職者を食い物にするブラック企業に関する記事を拝読し、共感をいたしました。
私自身、従業員が入れ替わり、一方的に給料を下げられ、残業代も支払われず、長時間労働を課せられる職場に勤務し、体を壊して、退職に追い込まれた経験がございます。
記事にありました「売上マイナス経費イコール利益」ではなく、「利益」を重視するため、経費の中の人権費を最後の手段としてではなく、真っ先に手をつける会社は意外と存在すると思います。
現在、「ブラック企業大賞」のような企画が行われていて、某大手居酒屋チェーンが2年連続ノミネートされたという動画が流れていました。
日本の街中にある有名店やフランチャイズ店の多くが、この実態ではないかと個人的には思えてなりません。
国会でも、世界進出している某大手衣料店の実態が問題となり、「ブラック企業」問題が社会的な問題として取り組まれようとしております。
リストラなどにより職を失い、ニートやひきこもりになる若者や中高年が増えてきております。また、一度、社会のレールから外れた人が社会復帰するには、あまりにも大きな壁を乗り越えなくてはなりません。かくいう私も、その1人です。
他の回で、「ひきこもり大学」や「中高年人材センター」など、ひきこもり経験者同士が横に連携をとり、自立に向け立ち上がろうとしている様子が取り上げられていましたが、私自身も何か取り組んでみたいと思いました。
池上様をはじめ、関係者の方々にエールを送りたいと思います>
先行きが不安な世の中の中で、こういうエールを送られると、それだけでもどこか勇気づけられる。
この読者
の方が言うように、一部の経営者に振り回されて生きていくのはもったいない。前々回の記事で取り上げたリアクションの中でもあったように、ネオブラックの特性を逆に利用して、あえてほどほどに働いてお金をもらうか、さもなければ、雇われて生きるのではなく、<我々生活者が自立できるような取り組みが必要な>ときは「いま」なのかもしれない。