Behavior Therapy

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これは実に壮観
科学的に物を見て測定して考えるという態度からすれば
これが本道であることはやはり理解できる
国道1号線である

実にぎっしりと成果が詰まっていて
多分これからもこの道が脳科学とか学習理論と結びついて発展するのだろう
そのはずである

ACTについてもこの項で軽く説明されていて
私には依然としてよく分からないながらも
大切なことを言っているようだ

途中でページがだぶったり曲がったりしているが
それくらい熱心に気持ちを揺らしながら読んだ(読もうとした)ということで
お付き合いして二度読んでくれるといいと思う

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CATなどの話にもなり
測定可能で客観的に記述可能で同意可能なものを取り出して
科学しようというのが一応行動科学とか認知科学とかで

一方、精神分析は、いろいろな測定不可能な仮説を含むのだけれども
個人的には、初期の理論は大変科学的で生物学的でまた発生生物学的で
初期のフロイトは科学の人であったと思うけれども
だからこそ偉大な説得力を発揮したのだが
やはり科学的ではあったが科学ではなかった
将来科学になるかもしれないものであって
科学になるときは脳科学とか認知行動科学になるはずである
(瀬川先生とかは、結局脳回路が分からないと分かったことにならないでしょうと言っていたのを思い出す)

現在も精神分析の考えを
科学の言葉で語り直す試みが進行中である

Cognitive analytic therapy は実際のところ
簡単に確実に役立つものにしようということで
cognitiveという客観科学と
analyticという科学以前の仮説の塊を
素朴に結合してしまっている
そんなのありですか、と
疑問も生じる
両者は原理が違うのである

しかし
たとえば円周率を論じていくらも厳密なことを言えるのだろうが
とりあえず中学生くらいなら3.14を使っておけば
あとは掛け算で面積とか出せるわけで
それでいいじゃないかという話だ

新理論なんかではなくて
いまはかなり高度なことも分かっているのだけれども
とりあえず中学生程度でも理解できて実際の役に立つものがあれば
学びやすいし世の中のためになるでしょう
大学なんか行かなくても役に立てばいいじゃないか
という感じのもの
 
こんなことを言うと
精神分析の人からは何も分かっていないと言われるし
認知の人からはやはり何も認知していないと言われるし
何も言わないのが一番賢いのだけれども
分かっていないながらも
尊敬はしていて憧れてさえいるのだと
言っておきたい