新精神療法Aの話とマルチ商法

現在では認知行動療法が完全に主流になっているので
その主流の中に飛び込んでコツコツと実績を積むのは
なかなか道が遠いと思う人もいるだろう

もっと簡単でもっと目立つことがしたいと思う
性格の未熟な人もいるものだ

それは各国にかならずいるもので
人間の集団が中心部分と周縁部分に別れていくことから見ても
必然のことだと思う

そこで周縁部分にいる人がさまざまな新精神療法ABCを開始する
と言っても、この分野で本質的な新しいものはあまり無いので
多くは古いものの部分変更である
それでもなにか新しい名前をつけて新精神療法Aとなる

仲間に認知されるかどうかは普通に考えると認知行動療法と無作為割付対照試験をして
同等または優位な結果が出ればいいことになる

こういう分野で、法律的に禁止されていないなら何をしてもいい、というのがアメリカという国であって
まあ、どうかなと思われるようなことでも平気でやってしまい
アメリカでの大規模臨床試験でも成果が実証されました、なんていう話が
実験内容の厳密な検討なんか全然されることなく
タイトルだけ流通する

ここからが日本という国の悲しいところなのだが
日本の人たちは自分たちで臨床データを集めて
日本ではきちんと実証されましたと言う気なんかない
アメリカで結果が出ているから有効なのだという議論である

そもそもの話、アメリカの精神病と日本の精神病が同じという保証もなく
もっと危ないのは新精神療法Aの内容としてアメリカと日本で同じだという保証もない
それはおおむね密室での出来事である

アメリカで嘘つきがいれば
日本では権威として通るのだから
おかしなものだと思う

やっている自分が一番よくわかっているんだと思うけどね
そういう人にはまた別の動機があるものだ

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ワークショップとか言って高いお金を取るのはアメリカ式の商売で
スーパーバイザーがまた高いお金を取ったりいろいろ別の形で搾取したりするのもアメリカ的な感じがする
そういう文化があり、それが好きだというなら、何も言わないが
視野狭窄になっていて、それしかないと思うなら、洗脳から解放されて欲しいと思う

アメリカ流のマルチ商法とかネットワークビジネスとかに似ているところもある
地道に苦労するよりも手っ取り早く成果を誇示したい
宗教の布教活動に似ているところもある
相手の苦難や欲しいものを確認して強い欲求があると見るとどんどんそこを攻める
新宗教の活動と同じである

あるいはモルモン教徒が何かにつけ熱心であることは認めるのだが
その熱心さをカトリック研究とかプロテスタント全般の研究に向けてもらえたらとてもいいのにと思う

鍋を売っていたところが有名だけれども最近は化粧品や健康食品などが多いらしい
結果がはっきり現れないけれどもプラセボ効果が期待できるものが最適だろうとは思う
つまり否定的検証もしにくいと言うことだ

外部から見れば明らかにだましているのに似ているし金儲け以外の動機はないように見えるものだが
内部からはまた景色がちがうらしい
そもそもその業界に入り込んだところで、いいカモなのである
シャブリ尽くされるまで解放されないだろう

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洗脳からの解放も株の損切りも同じなのだけれども
未来を考えて、過去の痛みを我慢することだ

過去の苦労や投資を否定することになるのはつらいだろう
しかし未来のために
きちんと考えて欲しい

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時々経験するが
例えば患者さんの中には
彼がとても理不尽で理解できないのだけれども
自分には彼が必要で別れられないという女性が居る
彼女は辛くなってしまうことがあって彼に「分かれてお互いに依存しないで暮らしてみよう」と提案するが
そんなとき彼は「それがおまえの弱いところだ、そこを治さない限り
これから先の人生はもっとダメになる」
などと強力に説明して
お金は取られる、そのお金でお酒を飲まれる、別の女性と遊ばれる、など
いいことは一つもないのだけれども
「俺と別れたらおまえはやっていけないぞ」と何度も言われて
結果としてそう信じている

またたとえば
マイルドな形ではあるが
気功とかヨガとかに効果不明なままで通い続け
通わなくなるという決意が出来ないようにされてしまっている場合が結構ある

自分にとってどんな利得があるのか
考えれば分かりそうなものだけれど
そこが洗脳である

今も良くないがやめたらもっと悪いことが起こると信じてしまうらしい

本当の意味での自信がないとか
不釣り合いなほどの成功を夢見る人の場合に
こうした落とし穴にはまり込みやすい

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誰か他人に操作されてだまされている場合もあるが
もっと厄介なのは
自分で自分をだましている場合である

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