自閉症双生児:注目される環境要因の関与 Twins with Autism: A Focus on Environmental Factors 自閉症の遺伝的、環境的な危険因子に関する研究(Nature Genetics 2010; 42:489;Arch Gen Psychiatry 2011 Jul 4[電子版]など)の進展と並行して、米国、欧州、そしてアジア地域の住民において自閉症有病率の上昇を指摘する報告が増えている(JW Psychiatry Jun 6 2011など)。集団レベルでのゲノムは

自閉症双生児:注目される環境要因の関与
Twins with Autism: A Focus on Environmental Factors
自閉症の遺伝的、環境的な危険因子に関する研究(Nature Genetics 2010; 42:489;Arch Gen Psychiatry 2011 Jul 4[電子版]など)の進展と並行して、米国、欧州、そしてアジア地域の住民において自閉症有病率の上昇を指摘する報告が増えている(JW Psychiatry Jun 6 2011など)。集団レベルでのゲノムは急速に変化しないと考えられるので、遺伝的変化のみでは有病率を上昇させる可能性は低い。
Joachim Hallmayerらのグループは、カルフォルニア発達障害保健管理システムの記録から、少なくとも一方が自閉症と診断された双生児を特定し、これら双生児の出生コホートにおいて環境要因と遺伝要因の影響を比較検討した。研究者らは研究用の診断基準(親に対する構造化面接[ADI-R]、小児の評価[ADOS])を用いて、自閉症スペクトラム障害(ASD)および典型的な自閉症に関して再評価を行った。対象候補であった双生児1,156組のうち、192組が診断基準を満たし家族から研究参加の同意が得られた。このうち143組において双生児の少なくとも1人が典型的な自閉症を有していた。
二卵性双生児の発症一致率は、典型的な自閉症(性別が同じ二卵性双生児 0.21~0.27;一卵性双生児 0.58~0.60)およびASD(二卵性双生児 0.31~0.36;一卵性双生児 0.50~0.77)とも予想外に高かった。易罹患性の差異に寄与する割合は、共通の環境要因が典型的な自閉症で55%、ASDにおいて58%であった。一方、遺伝要因の寄与率はそれぞれ37%、38%であった。
コメント
著者らも指摘しているように、二卵性双生児における自閉症の発症一致率および易罹患性に関する共通環境要因の寄与率はこれまでの報告に比べ高いが、一部の先行研究と異なり、本研究は小児の直接観察による評価尺度など厳密な診断基準を採用している。自閉症の原因について家族と話し合う場合、臨床医から提供できる情報は、現時点では自閉症の具体的な原因が特定されていないこと、さまざまな遺伝的・環境的な要因が関与している可能性があることであろう。さらに、遺伝子-環境相互作用が影響していることも考えられ、類似例としては金髪で青い眼をした人にみられる重度の日光皮膚炎が挙げられる。日光紫外線の影響を受けやすいという遺伝要因は関与しているが、引き金となる環境要因(日光曝露)が存在しなければ症状は発現しない。
—Barbara Geller, MD
掲載:Journal Watch Psychiatry August 15, 2011