不適応行動の治療-2

現実の状況に対して
行動が不適切である場合
を考える

人間はそれぞれの場面で
自分なりに最も適切と思う行動を選択しているのであるが
例えて言えば算数の計算間違いのような形で
不適応を起こす場合がある
その場合は原則もなにもなくて
ただ頭が混乱していると考えていいと思う
そのような場合が圧倒的に多いし
多いのだからむやみに重症になったりはしない

そうでない場合があって
それは現実の場面があまりに難問であるとき
人間は考えることをやめて
過去の行動パターンでやりくりしようとする

精神分析では退行という

脳科学で言えば
新しい行動パターンによって抑制されていた古い行動パターンが
新しい行動パターンでは適応不可能だと判断したときに
使われる

古い行動パターンというのは
一つには自分の経験での過去の行動パターンである
子供時代の行動パターンなどになる
もう一つは進化論的に古い行動パターンのこともあって
それはたとえば哺乳類としての古い行動パターンということになる

それは胎児期の脳の形成という事にもなり
たとえばトランスパーソナルで言われているような
胎児期の記憶とか
出産時の外傷記憶とか
に関係するのかもしれない

もちろん個人の体験として哺乳類の発生の過程は
顕在的記憶にはないのであるが
そして意識を中心として心理学では解釈が難しいのであるが
個体発生のそもそもから考えれば
個体発生は系統発生を反復するのが原則であって
脳もそのようにできていて
上位機能が壊れると下位機能が顕在化することは
原則のとおりである

そのような観点から
(1)精神病理を個体発生の観点から、生活史をさかのぼって検証する
(2)精神病理を進化論的に系統発生的に検証する
この二つの観点は同じものだということができる

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古いものが下位にあり
新しいものが上位にある階層構造を考えて
どこかの部分が壊れたときに
そこから上位の機能は失われて
そこから下位の機能は顕在化する
ジャクソニズムを簡単にいえばそういうことになる

目の前にある精神症状は
上位機能の喪失と
下位機能の顕在化の
ふたつの混合である

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臨死体験というものがあり
かなり共通した証言をする

なぜだろうかと考えるとき
臨死体験の時には
出産時の記憶を反復するのではないかと
個人的に考えることがある

出産時の記憶は
多かれ少なかれ似ているのだから
臨死体験も非常に似たものになるはずである

上位機能が次々に失われていって
最後に見えるもの