日本うつ病学会Q&Aより Q1....うつ病の患者さんは増加しているのでしょうか?

日本うつ病学会Q&Aより

Q1....うつ病の患者さんは増加しているのでしょうか?

A1..
うつ病や双極性障害(躁うつ病)を含む気分障害の患者数がすべてのライフステージにわたっ
て増加しています。特に、就業世代については、長引く不況や経済状況の悪化、失業率の上昇な
どを背景に、うつ病を惹起する種々の社会・心理的要因が増加しており、この点は近年大きな社
会問題となっている高い自殺者数とも関連が指摘されています。また、著しい高齢社会の進展に
伴い、うつ病の好発年代である高齢者層の人口が増えていることも重要です。高齢者では、身体
疾患、孤独、経済的困窮などがうつ病と関連します。さらに、若年者層のうつ病有病率の増加も指
摘されています。この点については、教育現場での児童・思春期のうつ病患者の増加とともに、Q4 
で述べる「うつ病概念の多様化」が関連しています。すなわち、若年層におけるうつ病患者は、以
前から一定の有病率があったと推測されますが、近年の多様化するうつ病概念のなかで再認識、
理解され、該当する患者数が増加してきていると考えられます。 
また、うつ病についての啓発活動により、自らうつ病を疑って受診する人の数が増えたことが挙
げられます。このような啓発活動とともに、「うつ病」や「精神科」に対する患者さん本人や家族、周
囲の人々の敷居も低くなり、比較的気軽に受診しようとする人が増えたのではないかと推測され
ます。その結果として、比較的「軽症」のうつ病の人や、多様な病型の人が受診に至る割合が増え
たと考えられます。また、種々の職域、地域や教育現場、あるいはプライマリケア医などから、うつ
病の早期発見から早期治療を求める動きがさかんになってきたことも重要と考えます。