円安と増税で物価が上がり続け、その分、家計の実質収入が増えずにマイナスになっているため、消費が抑制される結果となった。 9月の家計調査では、勤労世帯の実収入が実質で前年比▲6.0%と大きく減っている。 2014年に入って実質収入は大きく下がり始め、4月に▲7.0%に落ち、底を這う厳しい状態が続いている。観察して分かるのは、2013年4月がピークだったということだ。アベノミクスが始まったのが2012年末である。2013年を通じて実質収入は緩やかに下降を続け、2013年10月からはマイナス値の水面下領域に

いろいろから採録

円安と増税で物価が上がり続け、その分、家計の実質収入が増えずにマイナスになっているため、消費が抑制される結果となった。

9月の家計調査では、勤労世帯の実収入が実質で前年比▲6.0%と大きく減っている。
2014年に入って実質収入は大きく下がり始め、4月に▲7.0%に落ち、底を這う厳しい状態が続いている。
観察して分かるのは、2013年4月がピークだったということだ。
アベノミクスが始まったのが2012年末である。
2013年を通じて実質収入は緩やかに下降を続け、2013年10月からはマイナス値の水面下領域に沈み込む。
沈み込んだまま浮上せず、4月の消費増税を迎え、一気に奈落の底に落ち込んだ。
つまり、アベノミクスが進行するほどに、平行して勤労世帯の実質収入が下がっている。
要するに、円の過剰供給と為替安によって物価がハネ上がり、そのために実質収入が減っていたのである。
今年4月から年金が減額されたことだ。支給額が0.7%減らされている。
「これまでもらい過ぎだった」などと意地悪な理屈をつけ、年寄りの負担は当然だと言い、
アベノミクスで物価が上がる中を年金減額が強行された。
その一方、70-75歳の医療費の窓口負担が増やされた。
景況感が東京と地方によって異なり、地方の景気が悪い現象になっているのは、地方に高齢者が多いためである。
現在、日本の総人口の4人に1人を65歳以上の高齢者が占めている。
マクロ経済の部分となる消費活動の主体として、年金暮らしの高齢者の比重はきわめて大きい。
日本のGDPの6割を占める個人消費の、そのうちの4分の1の割合が、年金収入で買い物をする高齢者なのだ。
年金の減額処置、そして円安と増税による物価上昇、それが年寄りにとっての安倍晋三の経済政策(アベノミクス)だった。
デフレ経済で食料品や日用品が低価格化していたから、
年金を減らされ、医療・介護の負担を増やされた高齢者も、
ようやく生活できていたのである。
アベノミクスのインフレ政策は、貧しい高齢者に死ねと言っているのと等しい。
「老後破産」