“実は外部電源を喪失しても重力をつかった冷却水注入や、自然な廃熱によって安定的に冷却にまで至る新世代の原子炉も設計されている。 スウェーデンで 75年ごろ研究されていたPIUS(Process Inherent Ultimate Safe)炉は、スリーマイル島原子炉で起きたような冷却水が喪失する重大事故が起きると容器内外に圧力差が生じ、外のプールからの水が注入され、ホウ素の中性子吸収効果で核反応が停止するに至るよう設計されている。 特徴的なのは外部からの冷却水注入にポンプなどの動力を必要としないこと。人

“実は外部電源を喪失しても重力をつかった冷却水注入や、自然な廃熱によって安定的に冷却にまで至る新世代の原子炉も設計されている。
スウェーデンで 75年ごろ研究されていたPIUS(Process Inherent Ultimate Safe)炉は、スリーマイル島原子炉で起きたような冷却水が喪失する重大事故が起きると容器内外に圧力差が生じ、外のプールからの水が注入され、ホウ素の中性子吸収効果で核反応が停止するに至るよう設計されている。
特徴的なのは外部からの冷却水注入にポンプなどの動力を必要としないこと。人工的な操作を必要とせず、自然の力で安全性を確保するこうした方法を受動的安全性と呼び、PIUSは設計構造そのもので安全性を確立した炉形式ということで固有安全炉と名乗っていた。
 実は日本でも日本原子力研究所が1993年からJPSR(JAERI Passive Safety Reactor)炉などPIUS炉の延長上の研究に着手し、受動的安全性を確保しつつ実用可能な炉型を探った。
だがその成果は殆ど報じられなかった。なぜか。
より安全な炉があると認めれば、いま動いている原発の安全性に問題があると認めることになる。反原発運動のアピールで不安を感じている国民を安心させるべく現在運転中の原発に関して「絶対安全」と繰り返して述べて来た以上、「より安全な原発」の存在は許容できず、その道を選ぶことができないのだ。”
反原発と推進派、二項対立が生んだ巨大リスク:日経ビジネスオンライン