神様

幼い娘は、弟が生まれるとすぐ私に赤ちゃんと二人だけにしてくれ、と頼みました。

私は、4歳児にとって赤ちゃんへの嫉妬の感情から赤ちゃんをぶったり、ゆすったり
するのではないかという危惧から、ダメと答えました。
でも娘は嫉妬などの感情を見せることもなく、赤ちゃんをやさしく扱い
赤ちゃんと二人だけにしてくれ、という願いはますます強くなるようでした。
とうとう私は折れて、娘の願いを聞き入れました。
娘は喜んで赤ちゃんの部屋に入り、ドアを閉めました。
私はドアをちょっとだけ開けて中の様子をうかがいました。
娘はゆっくり赤ちゃんの顔の上に覆いかぶさって、静かに話しかけたのです。
「赤ちゃん、神様ってどんなだった?わたしはもう忘れはじめてるの」
— pya! 神様