インドでは自殺が多発している Suicide Is Epidemic in India この画期的な研究は、同国における自殺率が世界でもっとも高いレベルにあること、とくにリスクが高いのはそれほど困窮していない農村地域の若年女性であることを明らかにした。 世界全体における自殺のうち16%は高所得国で起きており、そのため自殺に関する我々の情報の多くはこれらの国々から得たものである。インドにおける自殺は高所得国以外の地域で起きる残りの自殺(84%)のかなりの部分を占める。本論文の著者Patelらは今回、同国

インドでは自殺が多発している
Suicide Is Epidemic in India
この画期的な研究は、同国における自殺率が世界でもっとも高いレベルにあること、とくにリスクが高いのはそれほど困窮していない農村地域の若年女性であることを明らかにした。
世界全体における自殺のうち16%は高所得国で起きており、そのため自殺に関する我々の情報の多くはこれらの国々から得たものである。インドにおける自殺は高所得国以外の地域で起きる残りの自殺(84%)のかなりの部分を占める。本論文の著者Patelらは今回、同国における自殺について画期的な疫学研究を実施し、高所得国での研究結果とはかなり異なるいくつかの知見を明らかにしている。
インドの15歳以上の住民において、年齢標準化自殺率は男性では100,000人あたり26.3、女性では100,000人あたり17.5 (高所得国における自殺率のそれぞれ1.2倍、2.5倍高かった)、男女比は1.5:1であった(高所得国での男女比よりもかなり低かった)。自殺率が高かったのは、都市部よりも農村地域(高所得国と同様)、教育水準の高い住民、所得の多い住民、そして既婚者であった(高所得国と相反する結果)。自殺の手段は、インドで広く流通し入手しやすい農薬の服毒がおよそ半数を占めていた。
コメント
インドにおける自殺リスクは、それほど困窮していない農村地域の住民で教育を受けている既婚女性において相対的に高いことを本研究は浮き彫りにしている。対人関係、家族、経済的な問題に対応する介入が、背景にある精神疾患を標的とした介入と同程度に重要と思われる。本論文と同時掲載された別の論文(Lancet 2012;379:2393)では、自殺を防ぐ方法として自殺に利用可能な手段の制限が有用であることを強調している。おそらく、インド国内で農薬へのアクセスを制限すれば自殺率に大きなインパクトを与えるであろう。インドでは自殺が罪とされているため、自殺が過少報告されている可能性を考えると、これらの結果の重大性がいっそう際立つ。