破綻した不完全な慰め

死という行き止まりが
私をまどろみから醒ます。
死は日常の嘘の衣装をはいでゆく
むきだしになった人生を私は見る。

人生にはまどろみから醒まされる瞬間が
何度も訪れる。
我々のまどろみは実は完全な整合性に至っていないこと。
すきまだらけでその向こうには何か
耐え難いものが存すること。
時に行きあたる裂け目には目をおおいたくなる何かが
横たわっていること。
まどろみは慰めだがしかし不完全な慰めであること。
うまくできた話なのだがそのからくりは
破綻しているのだ
そんなことを知らされる。