安倍首相の経済再生計画(アベノミクス)が日本経済を立て直せると考えてるなら、それはクリティカルシンキングができていないか、リーダーシップについて誤った考えを植え付けられてしまっているのでしょう。でなければ、20年間も停滞し続け、すべての施策で失敗したにもかかわらず、今回ばかりは上手くいくはずだと、全く理由もなく不合理に、万に一つを期待しているに違いありません。 明日の朝には羽を生やして月へ飛んでいける、と信じているようなものです。 アベノミクスが上手くいかない理由は沢山ありますが、そのいくつかをここに

安倍首相の経済再生計画(アベノミクス)が日本経済を立て直せると考えてるなら、それはクリティカルシンキングができていないか、リーダーシップについて誤った考えを植え付けられてしまっているのでしょう。でなければ、20年間も停滞し続け、すべての施策で失敗したにもかかわらず、今回ばかりは上手くいくはずだと、全く理由もなく不合理に、万に一つを期待しているに違いありません。
明日の朝には羽を生やして月へ飛んでいける、と信じているようなものです。
アベノミクスが上手くいかない理由は沢山ありますが、そのいくつかをここに挙げましょう。
日本経済の16%を占める輸出業を建て直すための円安政策により、残りの84%に不当な負担をかけます。日本はエネルギーの大部分を輸入に頼っており、そのほとんどは製造プロセスの中で原材料として、またその原材料と完成した生産物の輸送の為に使われるから、価格が上がっても利益は下がります。日本企業が利益を出してビジネスを継続させるためには運用コストを下げる以外に選択の余地はありません。これを達成する一番簡単な方法は、人件費を削減することです。つまり解雇や、雇用時間の短縮、給与カット、パートタイマーの雇用や正規社員の非正規化です。物価は上がり、収入が減るので、消費が落ち込み経済活動がスローダウンします。この右肩下がりサイクルは簡単にわかるものです。
株式市場でも、円安による経済効果はありません。市場は円安を反映して上昇します。と、言えばもうお分かりではないでしょうか。円が下がれば市場は持ち直します。円が上がれば市場は落ち込みます。そして本当の富は生じていません。資産家や貯蓄家などから投資銀行やヘッジファンド、相場師などに富が流れていくだけです。
円安は株式市場を混乱させるだけなのです。円安の時に歩止まり8%の国債を買いたい人がいるでしょうか?しかも政府が2%のインフレを達成しようとしている時に。国債を買うのは税金を払うのと同じ事です。10年もの国債が1.5%以上も上がったら、日本消滅を知らせる鐘が鳴り響くでしょう。日本はこのようなことが起こらないように、日銀が国債を買う時は常に価格を高く、歩止まりを安くする政策を採っていました。ですが、日銀がこのようにできるのも限界があります。
安倍首相の三本の矢は夏の参院選で勝つための策略でしかありません。減税や規制緩和などたくさんの公約を掲げましたが、どれも一般的な社会人を対象としたものではありませんし、具体的なことはまだ何も提示していません。これらについて何かしようとするのは、きっと晩夏か秋になってからででしょう。
つまり、アベノミクスが駄目な真の理由は、問題は経済だけのことではないということです。世相の低迷や不安感、世代的な希望の無さ、帳簿上での金のやりとりだけで市場を押し上げようとする想像力の無さは、雄々しく新しいが間違った考えで人々の期待を煽るやり方では救えません。なんであれ、本当の問題は置き去りにして、アベノミクスは問題をより悪化させて、自ら作り出した経済不況をさらに深くするだけでしょう。
日本という国は日本経済ではありません。経済は、人々のハードワークや創造性、イマジネーションと情熱を映したものに過ぎません。日本のよく働く人たちの努力を軽く見ているのではありません。その努力を無駄にしてしまう政府の抑圧効果について話したいのです。
安部首相は「個人主義と市民権」が日本の低迷の原因になっていると非難しています。これは日本の国民は自身の夢や目的を持って生きている人間であるよりも一部のエリート層のための資源だと考えるべきだ、という考えから生じています。日本維新の会はその後、表現の自由を制限するために憲法改正を提案しました。
ガイドラインのドラフトには、
”表現の自由が規制されるべきケースが確かにある”
と書かれています。
人々に「こうするべきだ」とか「これを考えるべきだ」とかについて教える方法は沢山知っているのに、20年も続いている問題に対する効果的な対処法がわからないというのは、日本の政治家というのはどういう人たちなのでしょうか。
これこそが、日本が抱えるすべての問題の中核です。自分自身がなれる限りの最良の人物になる自由が無く、そのような気高い目的を達成するにはどうすればいいのか教わることもできません。大企業の中の低レベル労働者であるかのような扱いです(悲しいことですが、小さな民間企業を運営することもできない無能な政治家が大企業を運営するとこうなります)。そして労働者は、雇用主のために働かなければなりません。しかも悪いことに、その雇用主たちは今、その経済的な危機を被雇用者たちのせいにしようとしています。
政府の圧力さえなければ、自分自身の知恵で、人は創造的で革新的で、情熱的になれるのに。さて、このことは、鏡を見れば責めるべき人がわかる安部首相のような政治家と日本の状況を表現したわけではありません。アベノミクスはただの計画-増税やNational ID cardやTPPのような-です。より人々を犠牲にし、良くなる望みはほとんど与えないでしょうが。
出生登録のかわりに税金の支払い請求が来る、そんなことがあってもいいでしょうか。出生届が政府と契約書を交わしたことになる、などということになってはならないのです。考え方が変わらなければ、紙幣を発行しても助成金を出しても(アベノミクスのことですよ)、日本の問題は解決しません。日本の人々は、この問題を解決できるのは自分たちだけだと気付かなければならないのです。そして、日本人がまずやらなければならないことは、文字通り、人のことに鼻をつっこむなと政府に言うことです。