「ブラック社員」 子育てを口実にしてわがままな働き方をする「黒いイクメン」 彼は会社をゆすり、たかり、しゃぶりつくし、苦しくなると泣き落として、甘い汁を吸い続けた。彼と同じ営業課には、同世代の優秀な社員が数人いた。その社員たちが、「なぜ、彼だけを特別扱いにするのか」と不満を覚え、辞めてしまうようなことがなかったからよかった。実際は、みんな不満たらたらだったけど……(苦笑)。 「僕には、子どもが2人いる。妻とは離婚し、父親の自分だけで育てる身。会社としてもっと協力をしてほしい」。 給与が、月に額面で

雑誌記事より
こういうのは労働問題とか労働法制というよりは性格障害の範疇だと思うが
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「ブラック社員」
子育てを口実にしてわがままな働き方をする「黒いイクメン」
彼は会社をゆすり、たかり、しゃぶりつくし、苦しくなると泣き落として、甘い汁を吸い続けた。彼と同じ営業課には、同世代の優秀な社員が数人いた。その社員たちが、「なぜ、彼だけを特別扱いにするのか」と不満を覚え、辞めてしまうようなことがなかったからよかった。実際は、みんな不満たらたらだったけど……(苦笑)。
「僕には、子どもが2人いる。妻とは離婚し、父親の自分だけで育てる身。会社としてもっと協力をしてほしい」。
給与が、月に額面で50万円をゆうに超えていた。基本給が30万円前後で、残りの20万~40万円分が残業代。年収では700万円を超える。うちは社員数が100人に満たない。業績もさほどよくない。30代前半の社員にこれほどの額を支給する前例なんてない。
1ヵ月の平均残業時間が少ないときで60時間、多い場合は100時間を超えていた。しかしその間、本当に働いていたのかどうかは疑わしい。その意味で、「疑惑の残業」と囁かれていた。
早い段階から「これほどの仕事を君には与えていない」と指摘した。
噂では、奥さんに払う慰謝料、2人の子の養育費、生活費などに多額のお金がかかるみたいだった。20代後半のときに、横浜郊外にそこそこ高級のマンションを買ったようだった。車も2台購入した。
どう見ても、メガバンクや外資系金融機関の社員と同レベルの生活をしようとしていたようにしか思えない。
本人は、上司にこう報告をしていたらしい。「営業先を午後10時頃まで回った」「休日出勤した際、取引先の社長らの家で食事などに誘われ、午後11時頃まで接待をしていた」。その合計が、月に60~100時間に及ぶということだった。
不審に思った上司が、名前が挙がった社長十数人に電話で確認した。すると、誰もが「〇〇さん(男性のこと)とは、休日に会っていない」と答えた。さらに、彼が「毎日午後10時頃まで営業をしていた」と報告をするから、上司が「その会社名を教えてくれ」と尋ねた。すると彼は、「子どもの面倒をみないといけない」「子育ての大変さがわかるんですか!」と逆ギレする。
「僕は、1人で子育てをしている。その大変さがわかるんですか」という叫びが、錦の御旗というか、時代劇の「水戸黄門」の印籠のようになる。総務部長らも渋々と認めてしまう。小さな会社だから、なあなあなところがある。それが彼につけ込まれたきっかけだと思う。
本来、時間内で仕事を終えて一定の結果を残す人が「優秀」と評されて、支給額が増えて待遇がよくならないといけない。
そこに、優秀な社員の悶えがある。我々管理職層の空しさもある。
意識の高い優秀な人は、会社に見切りをつけたなら、懸命に勉強をしたり、いくつもの会社を受験して、新たな人生を切り拓く。彼には、そんな考えはない。
一応は同じ職場の仲間だから、困ったときは支え合うべきとは思う。だけど、彼は勘違いをしていた。
今や、子育てをする社員を認める風潮がある。そんな世の中が、自分の味方になってくれる。自分を認めない会社にこそ、非があると信じ切っていたようだった。
しかし、子育て云々以前に、彼はするべきことをしていない。守るべきルールも守っていない。仕事もできない。そんな甘さや身勝手なものを、「育児」という錦の御旗で覆い隠し、不正に近いことをしていただけのこと。
不正ではないならば、それを立証しないといけなかった。
私には、彼は会社をゆすり、たかり、しゃぶりつくし、苦しくなると泣き落として、甘い汁を吸い続けたとしか思えない。繰り返すが、我々の本音は「彼が辞めてせいせいした」というところだった。
「疑惑の残業」については、早いうちに徹底して否定するべきだった。ここでの初期対応が甘すぎたことが、男性に誤ったメッセージを送り、後々の問題に発展した。
会社の管理職や人事に関わる役職者、役員らは、社員に誤ったメッセージを与えないことを常に意識するべきである。それは、決して社員を抑圧することではない。むしろ、優秀で意識の高い人を大切にしようとするならば、重要視するべきことと思う。
誠実な労働を提供する、良識ある優秀な社員たちの「声なき声」を、きちんと拾い上げるているのだろうか。
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