メンタルヘルスに関する警鐘:職場でのいじめ! Mental Health Alert: Bullies in the Workplace! この前向きコホート研究によると、職場でいじめを経験した勤労者はその後向精神薬治療を受ける割合が高い。 最近の研究から、児童・生徒のいじめによる有害な影響が明らかになっている(JW Psychiatry Jun 1 2009)。Lallukkaらが今回報告した新たな研究では、フィンランド・ヘルシンキ市の職員5,996人(年齢範囲 40~60歳)を対象に現在または以前

メンタルヘルスに関する警鐘:職場でのいじめ!
Mental Health Alert: Bullies in the Workplace!
この前向きコホート研究によると、職場でいじめを経験した勤労者はその後向精神薬治療を受ける割合が高い。
最近の研究から、児童・生徒のいじめによる有害な影響が明らかになっている(JW Psychiatry Jun 1 2009)。Lallukkaらが今回報告した新たな研究では、フィンランド・ヘルシンキ市の職員5,996人(年齢範囲 40~60歳)を対象に現在または以前の職場で受けたいじめ被害経験あるいは現在の職場におけるいじめの目撃について調査した。次に研究者らは、調査の3年前と5年後に参加者が受けた向精神薬の処方に関する登録情報を入手した。
男性と女性のそれぞれ5%が現在いじめを受けていると回答し、女性の18%と男性の12%は過去にいじめを受けたことがあり、女性の8%と男性の7%は職場でいじめをよく目撃すると答えた。年齢、体格指数(BMI)、過去の向精神薬使用、小児期のいじめ被害、職位で補正をおこなっても、いじめはその後の向精神薬使用と有意な関連を示した(男性におけるハザード比[HR]:現在のいじめ 1.93、過去のいじめ 1.71;女性におけるHRはそれぞれ1.48と1.29)。頻回のいじめ目撃も向精神薬使用と関連していた(補正HR 1.65[男性]、1.50[女性])。向精神薬の多くは抗うつ薬であり、抗うつ薬のみを服用した患者に限定した再解析では、この関連がさらに強まった。
コメント
今回の縦断的研究による結果は、いじめと向精神薬使用のあいだに関連を見出した統計学的検出力の小さい以前の横断研究の知見を確認するとともに、いじめは抗うつ薬による治療を必要とする気分・不安障害につながる大きなストレス因子であることを示唆している。著者らは肥満で補正を行っているので、参加者が体重についていじめを受けた可能性は除外されている。本研究の限界として、いじめ(の被害と目撃)についてそれぞれ単項目の質問が使われたこと、参加者が中年のみであったことがあげられるが、いじめという出来事は過少報告されやすく、実際よりも控えめな結果であると考えられる。臨床医は患者が自発的にこの種の情報を話さなくても、職場でのいじめについて聴取すべきであろう。
—Peter Roy-Byrne, MD
掲載:Journal Watch Psychiatry January 7, 2013