メンタルヘルス統合プログラム(MHIP)

近年、医療サービス統合への重要度が増している。そのような中、プライマリケア医による自殺予防への関わりも重要になっている。こころとからだの質問票(PHQ-9)は、プライマリケアに基づくメンタルヘルスプログラムであり、患者の特徴、管理およびうつ病アウトカムを評価することが可能であると言われている。ワシントン大学 Bauer氏らは患者レジストリーから得られたデータの観察分析を行い、PHQ-9の有用性を検証した。J Gen Intern Med誌オンライン版2012年8月31日号の報告。
 対象は、ワシントン州全体の100以上の地域保健センターでメンタルヘルス統合プログラム(MHIP)に参加した11,015名。自殺念慮の独立変数はPHQ-9の9項目により評価し、うつ病の重症度はPHQ-8により評価した。評価項目には、うつ病治療プロセスの4つの指標(ケアマネージャーの介入、精神症状レビュー、向精神病薬、専門医への紹介)、2つのうつ病の指標(PHQ-9スコア50%減少、PHQ-スコア10未満)が用いられた。
主な結果は以下のとおり。
・ベースライン時に自殺念慮を示した割合は45.2%であり、男性であること、および精神症状の重症度と有意に高い関係を示した。
・自殺念慮を示した患者のうち5.4%は、現在の抑うつ症状が乏しかった。
・年齢、性別、精神病理の重症度で調整後、自殺念慮を示した患者は、より早期のフォローアップを受けており[ ケアマネージャーの介入:HR=1.05(p<0.001)、精神症状レビュー:HR=1.02(p<0.05)] 、より多い抗精神病薬の投与[OR=1.11(p=0.001)]、および専門医への紹介を受けていた[OR=1.23(p<0.001)]。その一方で、PHQ-9スコアの達成率が低かった [PHQ-9の達成率(10未満):HR=0.87 (p<0.001)]
 プライマリケア医によるPHQ-9の活用は、自殺念慮を示す患者の早期発見を可能にすると考えられ、専門医と連携しフォローアップを行うことで、自殺予防が期待できる。