西松建設の巨額献金事件に関し「自民党議員に波及する可能性はないと思う」と述べた政府高官

忘れないために貼り付け
今はそれどころではないと言うだろうが、こんなことから次のことが連続していると思う
今となってみれば、もっと見通しよく、事態の判断でできるはずであるが、どうだろうか、反省は生かされているだろうか

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 「民主党は7日、西松建設の巨額献金事件に関し「自民党議員に波及する可能性はないと思う」と述べた政府高官は元警察庁長官の漆間巌官房副長官だとみて、9日に行われる参院予算委員会に政府参考人として出席を求め、鈴木寛参院議員らの質疑で事実関係をただす方針を固めた。(中略) 政府高官は、5日に報道各社の記者団とオフレコを条件に懇談した際に問題の発言をした。オフレコ懇談は政策決定などの背景説明のため行われ、発言者名は伏せて「政府高官」などとした上で発言の事実関係のみを報道することが多い。 共同通信社は発言内容が国会審議の焦点となる状況になったことを踏まえ、この政府高官に名前の公表を求めたが「報道各社間で決めたオフレコの約束に従ってほしい」として了承しなかった。
2009/03/07 09:48 【共同通信】」
ーーーーー「西松献金事件、政府筋「自民まで波及する可能性ない」
 政府筋は5日、西松建設の違法献金事件について、「自民党の方にまで波及する可能性はないと思う。あの金額で違法性の認識を出すのは難しい」と述べ、自民党議員に捜査は拡大しないとの認識を示した。
 政府筋が捜査の見通しについて言及するのは異例だ。捜査の中立、公正を確保する観点から批判を浴びる可能性もある。
(2009年3月5日23時42分 読売新聞)」
ーーーーー朝日新聞平成21年3月6日付朝刊39面「西松建設事件 政府高官「自民側は立件できない」2009年3月5日21時24分
 政府高官は5日、西松建設の違法献金事件について、首相官邸で記者団に「自民党側は立件できないと思う。特に(違法性の)認識の問題で出来ないだろう」と述べ、自民党議員に捜査は拡大しないとの認識を示した。民主党は小沢代表の公設第1秘書の逮捕を「不公正な国家権力の行使だ」と批判しており、政府高官が捜査の見通しに言及したことは、波紋を広げる可能性もある。高官は同夜、「(議員側に)西松建設から献金を受けた認識があるという傍証がない限り(立件は)難しいという意味だった」と釈明した。 
 自民党側では森元首相や二階経済産業相、山口俊一首相補佐官らが、西松建設OBが代表を務める政治団体から献金やパーティー券の購入を受けている。」
ーーーーー「違法献金:東京地検の立件「自民党はない」と政府高官
 政府高官は5日、西松建設の献金事件に関して、「この件で(東京地検が)自民党の方までやることはないと思う」と述べ、自民党関係者の立件には踏み込まないとの見通しを示した。政治家が絡む事件で、政府高官が捜査の見通しについて言及するのは極めて異例。
 西松建設側からの献金やパーティー券の購入など資金提供先には、自民党の森喜朗元首相、尾身幸次元財務相、二階俊博経済産業相、加納時男副国土交通相、山口俊一首相補佐官らが含まれている。
 高官は「自民党の方は金額が違いますから。西松からの献金という認識があったというのは難しいと思う。(小沢一郎民主党代表の件は請求書や領収書などの物証だけで)やっているんじゃないでしょう」とも述べた。
毎日新聞 2009年3月5日 23時02分」
ーーーーー朝日新聞平成21年3月7日付夕刊1面(3版)「民主、漆間氏とみて追及へ 「自民立件ない」発言の高官2009年3月7日3時0分
 西松建設の違法献金事件で「自民党側は立件できない」と発言した政府高官は6日夜、改めて記者団の取材に応じ、「一般論として、違法性の認識の立証がいかに難しいかという話をした。『自民党側に捜査が及ばない』とは言っていない」と発言を否定した。一方、民主党はこの政府高官を元警察庁長官で官僚トップの漆間(うるま)巌官房副長官とみて、週明けの国会で追及する。 
 政府高官は記者団に「記者の皆さんのとらえ方で、私の本意ではない」と釈明。「捜査は検察が決めることで、私は情報が入る立場ではない」と捜査情報を踏まえた発言でないことも強調した。朝日新聞はこの高官に身分を公表するよう求めたが拒まれた。 
 この問題で民主党は、9日の参院予算委員会に政府参考人として漆間氏の出席を要求し、発言の主であるかどうかを直接ただす構え。だが、政府は応じない方針だ。 
 また新党大地の鈴木宗男代表は6日夜のBS放送の番組で、「漆間氏が『自民党に発展しない』と言うことがおかしい。権力側が裏でつるんでやってるという話になる」と実名を挙げて批判した。漆間氏は警察庁長官を経て、麻生内閣発足の08年9月に中央省庁を束ねる事務担当の官房副長官に就任した。 
 政府高官の発言が出たのは定期的に開かれる記者団との懇談。メモをとらないオフレコ扱いで、政策などの真意や背景を聞く場だ。記者はニュース性があると判断した発言は、「政府高官」を主語にして報じる。」
ーーーーー九州企業特報:2009年03月07日 13:08 更新「西松献金事件 捜査介入政府高官は漆間氏のやっぱり 2009年03月07日 13:08 更新 
 やっぱりというしかない。西松建設の違法献金事件で小沢民主党代表の公設第一秘書が逮捕されたことを受け、「自民党側は立件できない」などと語った政府高官が、漆間巌官房副長官だったことが明らかになった。
 漆間氏はバリバリの警察官僚である。東大卒業後、警察庁に入庁、奈良・愛知各県警本部長、警視庁副総監を経て2004年から3年間、警察庁長官を務めた人物。警察庁といえば全国の警察組織の総元締めであり、捜査を通じて検察とも関係が深い。あらゆる情報に精通しており、内閣官房ではそれを活かして官僚・政治家に睨みを利かせる存在であろう。(中略)
 漆間氏の発言は、政府による検察捜査への介入に他ならない。まず、漆間氏は「自民党議員は立件できない」などという法的な根拠、証拠を持ち合わせていない。証拠第一主義の警察トップに君臨した人物が、証拠もないのに立件の可否について論じたのである。発言の真意は「立件できない」ではなく「立件するな」ではなかったのか。
 次に、二階経産相や森元首相ら西松建設側から政治資金提供を受けた政治家側が、西松のダミー「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」の収入原資について、西松建設の金と知っていたかどうかは検察しか知らないこと。わざわざ自民党の政治家は西松建設の金とは知らなかったと公言することは検察への「牽制」以外のなにものでもない。そうでなければ政府と東京地検特捜部は「ぐる」ということになる。「国策捜査」の証拠でもある。
 いずれにしろ漆間氏の発言は、政府・与党が検察に民主党潰しをやらせたということ(だから捜査情報を知っていた)の証しか、あるいは自民党に手を伸ばすなという恫喝にしか聞こえない。どちらにしても捜査への介入であることは間違いない。
 小沢代表より先に辞任して然るべきであろう。
【頭山 隆】」
ーーーーー「民主、漆間副長官追及へ 「自民に波及せず」発言で
 民主党は7日、西松建設の巨額献金事件に関し「自民党議員に波及する可能性はないと思う」と述べた政府高官は元警察庁長官の漆間巌官房副長官だとみて、9日に行われる参院予算委員会に政府参考人として出席を求め、鈴木寛参院議員らの質疑で事実関係をただす方針を固めた。
 鳩山由紀夫幹事長は6日の記者会見で、政府高官発言について「検察から内閣に何らかのメッセージが(事前に)送られていたのではと疑わざるを得ない」と指摘。簗瀬進参院国対委員長も会見で「政府による『逆指揮権発動』だ。政府高官の立場でこのような発言をすることは『自民党の方はやるなよ』とのサインとも受け取れる」と反発していた。(以下、省略)
2009/03/07 09:48 【共同通信】」
ーーーーー疑惑、自民にも飛び火 西松献金事件 二階氏らターゲットに
西松建設の巨額献金事件で、疑惑の目が自民党にも向けられ始めた。民主党の小沢一郎代表秘書の逮捕にとどまらず、東京地検特捜部が自民党二階派(会長・二階俊博経済産業相)など、同党側も捜査対象に含める判断を固めたためだ。立件に及ぶかどうかは別として、もはや“対岸の火事”とばかり言っていられなくなった。 (清水俊介)」(東京新聞平成21年3月7日付朝刊2面「スコープ」)
ーーーーー自民政治団体側からも聴取へ 西松事件で特捜部2009年3月7日3時1分
 民主党の小沢代表の資金管理団体「陸山会」をめぐる「西松建設」の違法献金事件を捜査している東京地検特捜部は6日までに、同社のダミーとして使われていた政治団体の資金の流れの全容を解明するため、この団体から献金を受けていた自民党議員などの政治団体側からも事情を聴く方針を固めた模様だ。西松建設の資金であることの認識の有無などについて会計責任者らを調べるものとみられる。 
 小沢代表が検察捜査を批判したり、民主党執行部が捜査に政治的意図があると疑う見解を表明したりしている状況の中で、検察当局は、ダミー団体の献金先となった他の与野党議員の政治団体を調べ、捜査を尽くすことが不可欠と判断したようだ。」(朝日新聞平成21年3月7日付朝刊1面)
ーーーーー東京新聞平成21年3月6日付夕刊1面「巨額献金の枠組み決定 逮捕秘書の前任者か2009年3月6日 夕刊
 西松建設の巨額献金事件で、年間二千五百万円を寄付する枠組みを西松側と話し合って決めたとされるのは、逮捕された公設第一秘書大久保隆規容疑者(47)の前任秘書(55)だった可能性の高いことが関係者の話で分かった。東京地検特捜部は、二〇〇〇年から小沢代表の資金管理団体「陸山会」の会計責任者になった大久保容疑者がこうした献金システムを引き継ぎ、西松側から十数年で三億円の献金を引き出したとみて捜査を進めている。
 関係者によると、西松側は元秘書の要求を受け、十数年前に年間二千五百万円を献金することを取り決めた。政治資金規正法の改正で一九九五年以降、企業側から政治家への寄付の受け入れ先が、年間五十万円を限度にして資金管理団体に絞られたため、元秘書らと話し合い「新政治問題研究会」(九五年設立)などダミーの政治団体を使って献金する枠組みを考案したという。
 元秘書は一九八〇年から小沢代表の秘書を務めた。二〇〇〇年に辞職して衆院議員となったものの〇三年の総選挙には出馬していない。陸山会の会計責任者を引き継いだのが、大久保容疑者だった。
 元秘書は本紙の取材に「小沢や大久保のことで話を聞きたいなら一切お答えするつもりはない」としている。」
ーーーーー西松」献金、元秘書の要求発端 小沢代表参考人聴取へ
 小沢一郎・民主党代表の資金管理団体「陸山会」を巡る政治資金規正法違反事件で、準大手ゼネコン「西松建設」(東京都)がダミーの政治団体を使うなどした一連の献金を始めたのは、逮捕された同会の会計責任者・大久保隆規容疑者(47)の前任者にあたる元秘書から、献金の要求を受けたことがきっかけだったことが、西松建設関係者の話で分かった。
 東京地検特捜部も同様の事実を把握している。検察当局では、西松建設の献金の経緯などを解明するため、陸山会の代表者である小沢代表から、参考人として事情を聞く方針。(中略)
 西松建設関係者などによると、西松建設が小沢代表側への献金の取り決めをしたのは1995年頃。当時、小沢代表側への献金については、同社の東北支店が担当していたが、小沢代表側の窓口は、小沢事務所でゼネコン業界などからの資金集めを取り仕切っていた元秘書が務めていた。
 元秘書は西松建設に対し、「他のゼネコンではこのくらいは献金している」などと、具体的な金額を示しながら、献金額の積み上げを要求。東北地方での公共工事の受注拡大を目指していた同支店は、小沢代表側の影響力に期待して、年間2500万円前後を献金する約束を交わした。献金には、同社が95年に設立したダミー団体の「新政治問題研究会」も利用することになった。
 元秘書はその後、一時期、衆院議員になるなどして、小沢事務所から離れたため、2000年以降は、大久保容疑者が元秘書の担っていた陸山会の会計責任者などの業務を引き継いだ。大久保容疑者は西松建設側と連絡をとりながら、「新政治」など二つのダミー団体や下請け業者などを迂回(うかい)させる方法で、陸山会や民主党岩手県第4区総支部など三つの政治団体に献金を分散させる仕組みを作り上げた。これまでの献金総額は約3億円にのぼる。
 元秘書は西松建設との取り決めについて、「記憶にない」としている。
(2009年3月6日03時09分 読売新聞)」
ーーーーー東京新聞平成21年3月7日日付【社説】「違法献金事件 異議あり政府高官発言2009年3月7日
 西松建設事件は自民党の議員には波及しない-。そんな捜査の見通しを政府高官が口にした。聞き捨てならない。中立公正であるべき検察捜査への疑念も招きかねない。真相究明の妨げにもなろう。
 資金管理団体の会計責任者でもある公設第一秘書が逮捕された当座、小沢一郎民主党代表は「不公正な国家権力の行使だ」と激しく検察当局を非難、党幹部も「国策捜査」「陰謀」となじった。
 これには森英介法相が「検察は不偏不党、厳正公平を旨としている」と反論し、多数の閣僚、自民幹部からも一斉に批判が出た。
 もとより法治国家、民主社会にあって検察権力が公正であるべきは当然だ。といって、検察が聖域視されて一切の批判も許さないのでは困るし、逆に批判が度を越すようでは社会がおかしくなる。さすがに小沢氏も「言葉遣いがまずかったなら訂正する」と語り、民主も批判トーンを弱めていた。
 その最中の政府高官の発言であった。本紙も含め報道各社が伝えたところでは、高官は西松建設の巨額献金事件が自民議員に及ぶことはないとし、その理由に、小沢氏側に渡ったのよりも金額が小さいこと、逮捕された小沢氏秘書のような西松側への請求書がなく、議員側の「違法性の認識」の立件が難しいことなどを挙げた。
 事件捜査は、西松が東北地方の公共事業受注を期待して、実体のない政治団体を通じ年二千五百万円献金するシステムを構築、秘書はかねて違法性を認識していた、との構図で進められているもようで、検察による小沢氏の参考人聴取も取りざたされる。
 容疑を強く否定する小沢氏は六日、聴取に応じる意向を述べる一方、請求書については「政治団体からの寄付なので政治団体で事務的に受けたということだと思う。事務的には問題ない」とだけ語った。要所の説明を欠いている。
 西松建設の献金は二階俊博経済産業相ら複数の自民実力者側にもなされており、それぞれ返却意思を表明している。問題は献金額の多寡ではないし、返せば済むというものでもない。検察の捜査着手が伝えられる。
 西松側との深い関係について小沢氏も自民の側にも、一層の真摯(しんし)な説明が求められている。この段階で政府高官が結論じみた言及をすれば野党から「検察との出来レース」批判が出ても仕方ない。
 いかなる意図か。この高官に、公開の場での弁明を強く求める。」
2013-12-12 01:38