前頭側頭葉変性症(ぜんとうそくとうようへんせいしょう、英: Frontotemporal lobar degeneration、FTLD)

前頭側頭型認知症の中で有名なのがピック病ですが、これは最初にこの病気を報告したのがアーノルド・ピックという医師が報告したことに由来します。
大脳の前頭葉・側頭葉というところが萎縮(やせる)のが特徴です。
人格、性格が極端に変わってしまったといった症状がまずみられます。例えば騒がしく軽々しくなった。派手になってやたらと買い物をするようになった。逆に何もしないでじっとしているようになった。不潔で平気でいる。また店でものをとって食べて平然としている。このように常識からは外れるような性格・行動のパターンがみられます。躁うつ病と紛らわしい場合もあります。はじめの頃は記憶力は保たれていて、初期から記憶力が低下するが人格は保たれているアルツハイマー病とは対照的です。このような認知症を前頭側頭型認知症といいます。
ーーー
前頭側頭型認知症 【性格が変わった、社交性がなくなった、自発性がなくなった】
前頭側頭型認知症はほとんどが65歳以下で発症し、性格変化と社交性の消失が初期からみられ、アルツハイマー病で初期からみられるような記憶障害は目立ちません。
【特徴的な症状として・・・】
・自分や社会に対する関心が低下し、身だしなみに頓着しなくなったり、万引きのような軽犯罪を引き起こすことがあります。
・抑制が欠如し、遠慮が無くなったり、暴力行為やふざけ、落ち着きのなさがみられることもあります。
・いつも同じ道順を歩き続けたり(アルツハイマー病でみられる徘徊とは異なり迷子になることはほとんどありません)、いつも同じような動作をしたり、同じものを食べ続ける、といった常同的行為と呼ばれるものがみられることもしばしばあります。
・感情面では自発性がなくなり、感情が鈍麻(どんま:感覚がにぶくなること)することが多く、他人に共感することや感情移入ができなくなってきます。
・何かに関するこだわりが異常に強くなり、柔軟な対応ができず、他人の迷惑なども省みずに好き勝手に行動しているように見えることもあります。
・興奮がみられたり、多幸的になる場合もあります。
・自発的な発語は減少し、いつも同じことを言い続けるといった言語の症状をみることもしばしばあります。
これらの症状はゆっくりと進行していき、最終的には寝たきり状態になります。 
ーーー
前頭側頭葉変性症(ぜんとうそくとうようへんせいしょう、英: Frontotemporal lobar degeneration、FTLD)