ある日本政府幹部が都内での会合で「私は米軍のエア・シー・バトル(空海戦闘、ASB)構想に若干懐疑的だ。ASBでは、(米軍が)どう反転攻勢に移るのか、どこを攻撃するのかがあいまいで、米側に聞いてもはっきりした答えは返ってこない」と打ち明けたのだ。  ASBとは、中国が将来、奇襲的な軍事行動に出た場合、米軍がいかに反撃し最終的に戦争に勝利するかを考えた戦略構想だ。  中国軍は核兵器も搭載できる中距離弾道ミサイルの大量配備などに動いており、その気になれば米軍や自衛隊のミサイル防衛(MD)システムでも迎撃し切

採録

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ある日本政府幹部が都内での会合で「私は米軍のエア・シー・バトル(空海戦闘、ASB)構想に若干懐疑的だ。ASBでは、(米軍が)どう反転攻勢に移るのか、どこを攻撃するのかがあいまいで、米側に聞いてもはっきりした答えは返ってこない」と打ち明けたのだ。

 ASBとは、中国が将来、奇襲的な軍事行動に出た場合、米軍がいかに反撃し最終的に戦争に勝利するかを考えた戦略構想だ。
 中国軍は核兵器も搭載できる中距離弾道ミサイルの大量配備などに動いており、その気になれば米軍や自衛隊のミサイル防衛(MD)システムでも迎撃し切れないほどの大量のミサイルを発射する「飽和攻撃」が可能だ。そのため、情勢緊迫時に在日米軍は、奇襲攻撃を受けての全滅を避けるためオーストラリアなどへ「戦略機動」という名の一時退却をする(米軍の退却の素早さは、11年の福島原発事故の際の米兵家族の日本脱出の際にも確認されている)。その後、態勢を立て直した米軍は、機をみてステルス戦闘機や潜水艦発射の巡航ミサイルなど空軍や海軍主体の反撃を開始し、中国の軍事基地などを攻撃し屈服させる、というのがASB構想の概要だ。
 ただ、同構想をめぐっては「米軍が中国本土の基地を攻撃すれば、中国は逆上し、核兵器の撃ち合いを含む大戦争になってしまう。そんな戦略が本当に実行可能なのか」との批判が米国内で浮上している。また、最近では日本国内からも「米軍は一時退却できるからいいが、日本国民はどこに逃げたらいいのか」としてASB構想は「日本人見殺し」を前提にしているとの声が出始めている。