強迫性障害と強迫性パーソナリティ障害に違いはあるのか? Is There a Difference Between OCD and OCPD? 本研究は、強迫性障害と強迫性パーソナリティ障害における衝動性の特徴について検討している。 強迫性障害(OCD)と強迫性パーソナリティ障害(OCPD)の特徴には重なる部分があるが、異なる部分もある。OCPDでは、OCDよりも、思考および行動が自己中心的であり、完全主義と自己統制が顕著である。即時報酬の獲得を先延ばしできないことを特徴とする衝動性を間接的に評価する

強迫性障害と強迫性パーソナリティ障害に違いはあるのか?
Is There a Difference Between OCD and OCPD?
本研究は、強迫性障害と強迫性パーソナリティ障害における衝動性の特徴について検討している。
強迫性障害(OCD)と強迫性パーソナリティ障害(OCPD)の特徴には重なる部分があるが、異なる部分もある。OCPDでは、OCDよりも、思考および行動が自己中心的であり、完全主義と自己統制が顕著である。即時報酬の獲得を先延ばしできないことを特徴とする衝動性を間接的に評価するため、本論文の著者Pintoらは、OCPDを伴わないOCD患者25例、OCDを伴わないOCPD患者25例、両疾患が併存する患者25例、健常対照者25例において遅延価値割引(将来の報酬を選び、即座に得られる欲求を我慢する傾向性;NEJM JW Psychiatry Apr 13 2012)を測定した。
心理社会的機能と生活の質(QOL)の障害はこれら3つの患者群において同様であった。OCD単独の患者群と健常対照群のあいだで遅延価値割引のレベルに差はなかった。しかしながら、2つのOCPD患者群(すなわち、OCD併存例と非併存例)はOCD単独群および健常対照群に比べ遅延価値割引が有意に大きかった。遅延価値割引のレベルに基づき2つの疾患を確実に鑑別することができた。報酬獲得を先送りする能力の過多はOCPDにおける完全主義および頑なさと正の相関を示した。
コメント
想像される将来の最大の報酬を得るために、効率や生産性のような目先の報酬を先送りすることは、OCPDの基本的な特徴の1つである。過剰な遅延価値割引はOCPDの特徴をもつ高齢うつ病患者における自殺リスクを上昇させる可能性もある。著者らが述べているように、過剰な自己統制を標的とした治療はOCPDや神経性無食欲症のように同様な特徴を有する他の疾患に対して有用かもしれない。
—Steven Dubovsky, MD
引用文献:
Pinto A et al. Capacity to delay reward differentiates obsessive-compulsive disorder and obsessive compulsive personality disorder. 
Biol Psychiatry 2013 Nov 6; [e-pub ahead of print].