バッハが飽きないのはどうしてなんでしょう

バッハが飽きないのはどうしてなんでしょう
お米とか食パンとかお味噌汁とか、そんな感じなんでしょうか

ーーーつらいことを誰も理解してくれない。ということを言うのだが
世の中はそんなに無理解でもないと思う
多分、その人の周りに、偶然かどうか、理解してくれる人がいないのだと思う
あるいは、理解するつもりのない人だけしかいない

ーーー摂食障害の発病や増悪に自己評価に関する信念が強く関係していると言われるのだが、

自己評価が低いということはしばしば
裏側に隠された誇大的な自我があるものだ

ーーー
増悪(ぞうあく)悪化すること
憎悪(ぞうお)憎むこと
意味によって音が違う例
 ーーー摂食障害において親を発症原因とすることの意義と弊害 : 拒食症の1事例に対する「物語」の視点を用いた質的解析
不適切な親子関係が摂食障害を引き起こすとするモデル(=「家族モデル」)は,すでに多くの批判にあい,現在主流の機序モデルではない.しかし,このモデルは当事者や家族に対し,いまだ強い影響力をもつ.これまで「家族モデル」に対する批判は「正・誤」の二項対立の中で展開されてきたが,単に「家族モデル」を「誤り」とするだけでは,このモデルがいまだ当事者や家族に受容される理由を明らかにすることはできない.したがって,本稿は,「家族モデル」を内面化したと思われる1事例を取り上げ,当事者にとっての「家族モデル」の意義とその内面化の功罪を,「物語」の観点から解析した.結果,「家族モデル」は,親を原因とすることで,当事者を病気にかかったことの罪悪感から救済するが,疾病利得を生み出し,救済の範囲を親子関係の中にとどめて,社会性の回復を促さないという弊害も見出された.
ーーー摂食障害治療の最近の工夫 : 身体面の治療と心理療法について(摂食障害の治療の進歩,2012年,第53回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(鹿児島))
本稿では,九州大学病院心療内科での神経性食欲不振症(AN)患者の入院治療を通じて,AN治療の最近の治療上の工夫について心身両面から述べる.身体面:身体的要因による緊急入院治療への取り組みは大きな課題である.われわれは,(1)BMI13〜14kg/m^2までは,飢餓時期においては,脂肪分解によるエネルギー産生が中心となり,それ以下のBMIでは,蛋白異化が中心となること,(2)除脂肪量(筋肉・内臓組織・血液量など)が低下するほど身体的要因による緊急入院のリスクが有意に増加すること,(3)BMIが12〜13kg/m^2以下のANの体重増加期は,脂肪の合成よりも除脂肪合成が優位であること,(4)入院時BMI12kg/m^2以下の症例でも,高リン含有の栄養補助食品(アルジネード^[○!R] 125ml)を併用すると簡便にrefeeding症候群を予防できることを報告し,BMI13kg/m^2をキーポイントとした身体管理の重要性を提言している.心理面:当院では,入院症例に対して多くは「行動制限を用いた認知行動療法」を行っている.体重が増えなければ治療が進まない形式の心身両面への統合的アプローチである.最近は入院治療中に,強い他者批判や社会あるいは家族との関係に課題を持ち続ける事例に対して,内観療法を併用することがある.この2つの心理療法には類似点があり,併用すると相乗効果があると思われる.
ーーー摂食障害の治療 : 共同治療をめざして(摂食障害の治療の進歩,2012年,第53回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(鹿児島))
摂食障害の診断基準は「精神障害の診断と統計の手引き(DSM)」を中心に少しずつ改訂されているものの,根幹は『思春期やせ症の謎』でBruch H(1978)が指摘したものと大きく変わることはない.体型へのこだわり,やせ希求とさまざまな栄養問題,家族,特に母親とのあつれき,社会からの孤立と並行して生じる自尊心の低下,さらに治ることへの大きな不安感などがある.筆者は治療は原則外来で行い,身体的な問題を生じた場合,あるいは食事練習をしたいなど,患者自身が希望した場合に入院治療を行っている.「入院時に約束した食事を食べることができるという自信を患者が手にし,患者に食事を任せることができるという安心感を家族がもつことができる」ことを入院治療目標としている.栄養は身体だけでなく思考の源であることを伝え,抱えているあるいは表出した行動・感情・考え方を適宜取り上げ,関係性に留意しながら患者と共同治療をしている.
ーーー目的:一般健常人と比較した摂食障害患者における自閉性傾向について検討し,自閉性の観点から摂食障害の病態について報告を行う.方法:84 人の女性摂食障害患者と59 人の女性対照群に対し,自己記入式の質問紙,自閉性スペクトル指数日本版(Autism-Spectrum Quotient:AQ)と,日本語版Eating Disorder Inventory-91(EDI-91)を行い,比較検討した.結果:AQ 合計点は,摂食障害群は対照群より有意に高かった.Anorexia nervosa restricting type(ANR)のAQ 値は対照群より有意に高かった.これに対して,blimia nervosa(BN)は対照群と有意差を認めなかった.結論:摂食障害患者では,健常人以上の自閉性を有していた.社会性やコミュニュケーションを苦手とする自閉性の一側面が摂食障害の病理に影響を与えていることが示唆された.自閉性傾向を調べることは,摂食障害患者に対するより適切な治療法の選択にも結び付くと考えた.
ーーー私を摂食障害にした、あの人を許すことはない (母の支配は”性差”を超える)遠野 なぎこ婦人公論 98(17), 46-49, 2013-07-22 
ーーー子どもをもつ摂食障害の女性患者が増加して,臨床でどう評価すべきかの課題が出ている.そこで摂食障害の患者の結婚,妊娠,出産,育児について,コントロールの女性と,面接調査による比較研究を行った.対象群は,筆者らが治療を行った子どもをもつ20名の摂食障害患者の女性で,コントロール群は子どもをもつ20名のボランティア女性であった.摂食障害の女性はコントロール群の女性と比較して,妊娠中も過食や嘔吐などの食行動異常は続くことが多く,妊娠で精神状態も悪化し,飲酒や喫煙が多かった.出産時異常に差はなかったが,産後うつ病が多く,育児期の精神状態も悪く,出産後に過食や嘔吐は増加し,子育て不安も強く,子どもへの虐待経験も多かった.また,結婚から出産後までの間に摂食障害が再発した者は30%存在した.結論として,摂食障害の患者は,食行動異常が回復しても,子どもの育児期間を含めての長期間のサポートの必要性があると考えられる.
ーーーE. H. エリクソンは,モラトリアムを「自己と向き合う」期間としたが,この数十年間,日本の若者は良い学校に入学することを目的にした学校生活に追い立てられ,「自己と向き合う」ことができない事態が続いている。その結果,モラトリアム期は,空洞化したと考えられる。一方で思春期・青年期の社会的問題として登場したのが,不登校や引きこもり,摂食障害などの現象である。ここでは摂食障害と向き合った女子大学生の事例を振り返り,このような問題と向き合っている過程の中にこそ,エリクソンの示した本来のモラトリアム期の過ごし方があることを明らかにした。具体的には,摂食障害を「期待に応えて生きる」自己(社会的自己)と「本当の自分を求める」自己(存在論的自己)がせめぎ合う際に陥る危機的状態の表現と面接者が把握し,来談者がこの緊張状態の自己と向き合うことを支援することを通じて摂食障害を脱することができるのではないかと論じた。一般社会からは否定的評価を受けている不登校・ひきこもり・摂食障害であるが,そこには自立に向かう必須のプロセスとしての肯定的で生産的な意味が含まれていることが示唆された。
ーーー症例は神経性食欲不振症の診断で,紹介入院となった16歳女性.初診時には,BMI=13の低体重と,低血糖を呈していた.初診時,明らかな幻覚や思考障害は認めず,摂食拒否,肥満恐怖を認めている.入院経過中,食行動の正常化とともに,身体異常感覚や身体知覚異常,離人感などの微細な精神症状が顕在化し,at risk mental state(ARMS)と診断し,aripiprazoleの投与を行った.摂食障害の治療と併行し,ARMSに関する家族への心理教育,家族対応の指導を行い,精神症状,食行動,家族関係の改善が得られた.摂食障害とARMS併存の可能性への留意,ならびに早期治療的介入の重要性を再認識した.
ーーー本研究では,ダイエットにおいて特異的に生起する完全主義的思考や自己陳述を調査し,the Perfectionistic Self-statements Inventory about Dieting (PSI-D)という新たな尺度を作成し,その信頼性,妥当性を検討することを目的とした。研究1では,半構造化面接と自由記述調査によって収集された40個の予備項目による調査を女子大学生に実施し,厳格なダイエット実践者118名の回答を分析した。その結果,PSI-Dは高目標へのこだわり,失敗に関する自己批判,努力の重視,厳格な自己抑制という4種の因子を持つことが明らかとなり,尺度全体および各因子の十分な内的整合性が示された。研究2では,2つのサンプル(148名,140名)の女子大学生を対象に,PSI-Dと他の尺度を用いた調査を実施した。その結果,PSI-Dの十分な妥当性が示された。以上の結果を踏まえて,PSI-Dの有用性について論じた。
ーーー摂食障害に対する認知行動法(CBT)は, 近年西欧と同様に本邦においても広く用いられるようになってきた。今回の発表の目的は, 接触障害のCBTの利点と問題点を明らかにし, それに対する考察を深めることである。まず, 利点として挙げられるのは, (1)実験的に効果の確認された行動技法を利用できる。(2)少なくとも神経性過食症に対しては認知的技法本来の効果が期待できる, (3)治療を支持的に進めやすい, といった点である。これらの利点について, CBTによる治療を受け約1年で回復した神経性食欲不振・過食症の1例を提示しながら考察を深めた。この症例には、治療効果が十分に実証されているオペラント条件づけ技法と自己主張訓練が基本的に有効であった。しかし、その自己主張訓練もカッツマンらの心理教育的アプローチを導入する前にはうまくいかなかったことから、心理的教育、セルフモニタリング, 認知再構成法も治療全体の中で一定の役割を果たした可能性があると考えられた。さらに, 以上のような多面的な治療そのものが患者にとってかなり支持的に働いた可能性も考えられた。一方、問題点としては、特に神経性食欲不振症に対して、(1)治療動機のなさや身体・心理面の相互作用のために、定期的なCBTの戦略を改変する必要がある。(2)認知的技法が有効であるとする根拠がはっきりしない, さらに, (3)治療関係の形成に関して有効性が確認された具体的な指針が示されていない, といった点が挙げられる。以上のうち(2)は摂食障害にCBTを用いる前提が未確立であるということを意味していると考えられるが, 実際これまでのところ, さまざまな認知的変数がどのように摂食障害の発病や憎悪につながるのかという点はほとんど明らかにされていない。そこで, さまざまな認知的および行動的変数間の因果的連鎖の中で「自己評価に関する信念」が決定的な役割をしていることを示したわれわれの研究結果を提示した。つまり、もし仮に「自己評価に関する信念」を変えることができれば, それに続けて, 極端なダイエット行動といった摂食障害の症状を含むほかの変数も変えることができる可能性があり, この結果からは摂食障害に対する認知的介入の有効性が支持されたものと考えることができる。そして, 摂食障害にCBTを適用するための科学的根拠を十分に確立するためには, さらに多くの関連ある研究の遂行が必要であることを提言した。
ーーー「認知行動療法の理論と実際」の中の「過食症の認知行動療法」・フェアバーンの認知行動療法1)ストレスは何か。食行動は対処行動である。別の対処行動を発達させる。2)自動思考の同定と修正3)スキーマの同定と修正・カッツマンらの心理教育的アプローチ1)ストレスは何か。食行動は対処行動である。別の対処行動を発達させる。2)過食時の感情・思考の同定と修正3)人格面での問題点の同定と修正・痩せたいなあという気持ちが出てくると、雑誌をみて、(憧れの)宮沢りえもたいになるには、もっと太らないといけないと思うようにしている」と、ボディ・イメージの障害に対する自分なりの対処の方法を考えた。・「自分が太っていると思ってしまうのがこの病気の特徴だと思うようにして下さい」と『病気のせいにする』技法を用いてサポートする。・病気の情報を十分に提供する・過食症にならないためには、1 3回の食事を必ずとる2 吐かない、下剤乱用しない3 過食前の自分の様子をよく観察する4 気晴らしをする・主張訓練法もよい・ミラーテクニック‥‥一人でできる主張訓練法・結局、1)食生活の乱れを正す。2)性格の問題を是正する。の二点にまとめられる。
2017-09-17 17:44