[香港 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] -第一三共(4568.T: 株価, ニュース, レポート)は、海外での冒険に潜む危険を日本企業に思い知らせた。同社は、問題を抱えたインドの子会社ランバクシー・ラボラトリーズ(RANB.NS: 株価, 企業情報, レポート)の経営権を同国の同業サン・ファーマシューティカル・インダストリーズ(SUN.NS: 株価, 企業情報, レポート)に32億ドルで譲渡することにした。第一三共のランバクシーへの投資は、6年でほぼ40%減価した。 第一三共は2008年に

[香港 7日 ロイター BREAKINGVIEWS] -第一三共(4568.T: 株価, ニュース, レポート)は、海外での冒険に潜む危険を日本企業に思い知らせた。同社は、問題を抱えたインドの子会社ランバクシー・ラボラトリーズ(RANB.NS: 株価, 企業情報, レポート)の経営権を同国の同業サン・ファーマシューティカル・インダストリーズ(SUN.NS: 株価, 企業情報, レポート)に32億ドルで譲渡することにした。第一三共のランバクシーへの投資は、6年でほぼ40%減価した。
第一三共は2008年にランバクシー株式64%を取得した。当時、海外、特に新興国企業への投資という点で、第一三共は先駆者だった。しかし、その後、ランバクシーには次から次へと問題が発生。米当局がランバクシーのインド国内の4工場に対し、米国への出荷停止を命令。ランバクシーは、安全性基準について違反があったことを認め、5億ドルの罰金を支払った。問題は今も続いており、ランバクシーは7日、米ニュージャージー州当局から召喚状を受け取ったことを明らかにした。
こうした状況を鑑みれば、ランバクシーをサン・ファーマに譲渡するのは最善の選択だろう。それでも財務的には痛手だ。株式交換比率をもとに計算すると、第一三共のランバクシー持ち分は約1230億ルピー(20億4000万ドル)と、6年前の取得額を38%下回る。米ドルに換算すると、投資損失はさらに大きくなる。第一三共は、サン・ファーマに、直近の召喚状に関連する費用は補償することにしていることから、損失はさらに膨らむ。第一三共は、ランバクシーを吸収した新生サン・ファーマ株式を9%取得するが、当初の投資を回収するには、新会社が劇的な成長を遂げる必要がある。
サン・ファーマにしてみれば、ランバクシーを支配する可能性が高まったが、掘り出し物とはとても言えない。過去12四半期中7四半期が赤字の企業に対し、2013年売上高の2倍相当との評価は高い。予想されるコスト削減および売上高のシナジー(相乗効果)が年間2億5000万ドルというのは低い。真の可能性は、ランバクシーがより良い監督体制にあると米当局が納得することにある。
投資家が期待するのは、他の企業が教訓を得ることだろう。日本企業は対外進出に積極的で、2008年以来、海外買収に投じられた金額は3480億ドルに達する。第一三共のランバクシー投資は、それが上手くいかなかった場合どのような結果が待っているか、を肝に銘じさせる事例だ。