単極性うつ病と双極性うつ病

今現在大うつ病エピソードの1ヶ月目で
人生で3回目
なんていう場合

単極性うつ病の一部を見ている可能性と
双極性うつ病の一部を見ている可能性があるわけです

一番いいのは
たとえば過食、過眠、鉛管様麻痺とかというように現在ある症状を記載していけば
鑑別診断できるシステムですね
しかしそれは現在は難しい

それが原理的に可能なのかといえば
それも怪しい

しかし
例えばの話として
単極性うつ病の人の正常気分の時に話す時と
双極性障害の人の正常気分の時に話す時で
それぞれを鑑別できるかという問題とも言い換えられますね

うつ病の症状そのもので鑑別できないならば
その背景にあるものが問題ということになって
背景にあるものならば正常気分の時でも診断できそうではないですか

そうかな?

だから病前性格とかが研究されてきたのだけれども
最近は病前性格研究はネガティブな面が報告されていると思う
むしろ、本当は病前性格とは言えないものなのに
長い間病前性格と言われて尊重されてきたのはなぜかというような
ちょっと違う興味で眺められているようなところもある

病前性格と言えばいろいろ批判が出るというなら
ストレス脆弱性といえばいいのかもしれない
そしてそれは結局DNAの問題みたいなところがある

DNAの問題だと遺伝研究になるわけだけれども
単極性と双極性は確かに違う遺伝子群の影響かとの報告が多いと思うが
一方で
双極性は精神病と関わりがあって
統合失調症遺伝子群と明確に分離できるのかという問題が生じる

遺伝子から見れば精神病という大きなくくりが可能なだけではないかとの予測である
それもそうかも知れないなあとは思う

ストレス脆弱性モデルで考えて
ストレス側に単極性うつ病が近くて
脆弱性側に双極性がありさらにそのもう少し外側に統合失調症がある

神経症性うつ病とか気分変調症とかは
微弱なストレスに対して慢性微弱抑うつで反応しているようで 
たとえていえば
微弱ストレスに対して慢性微弱抑うつで反応しているのに
強力ストレスに対しては案外大うつ病で反応していないので
そこが妙なところだ

微弱ストレスに対して慢性微弱抑うつで反応しているのに
強力ストレスに対しては大うつ病で反応している場合は
ダブルデプレッションというのだが
その場合の大うつ病は、単極性うつ病のうつ病、双極性うつ病のうつ病と
現在症として区別できるかという問題でもある

それもやはりうつ病自体では鑑別は困難で
むしろうつ病成分を引き算して残ったものを比較したほうがいい
引き算して残ったものが気分変調症と正常気分の対比になる

いつでも経過が気になっているものだけれども
おかしいのは
今まで一度も躁病の経験はありませんという人が
たとえば19、21で大うつ病エピソードで21歳時点では
とうぜん単極性うつ病となり
同じ人が23歳で躁病になると
双極性障害に診断変更になり薬剤も変わるという話であり
それはいくら何でもおかしいだろう

23歳から双極性障害が始まるのでもない
はじめから双極性障害なのだが
診断できなかった
と言うより、原理的に診断できない

そういうものを「病名」と考えるのはやはり不合理だと思う
言えるのはエピソードだけなのだろう

遺伝歴とか経過とかを総合して
さらには伝統的には性格傾向とか人格の手触りとかも加味するのだが
それは言わないこととして

この例で言えば
21歳の時に診断するとして
ここまでうつ病エピソードしかないけれども
総合判断として双極性障害と思う
としたほうがいいものかどうか

どうすべきかを決めるための研究を進めたくて
そのためにDSMがあるのだけれど
なにかもうすでに結果みたいに扱われているのも
とてもおかしな話だと思う

経過の話で言うと
統合失調症の最初期症状として「うつ状態」があるわけだが
そのうつ病と上記種々のうつ病とを
区別できるのかという問題

現在症、生育歴、遺伝歴、性格、その他から総合判断して
区別すべきなのか、できるとすればどのようにして区別できるのか

区別すべきとすれば
もともと違う疾患であるという立場なのだろうが
何を持って違うといっているのか怪しいところはある

たとえば薬剤の相互乗り入れはますます激しい
双極性障害の時に使う気分安定薬として抗てんかん薬があり、リチウムがあり、
さらに定義にもよるが、場合によっては非定型抗精神病薬を含める
このあたりから見ると
非常な暴論としてではあるが
そして言葉の使い方として倒錯していると思うのだが
有効な薬剤という側面から見ると
抗うつ薬を使うべき単極性うつ病はいいとして
現在双極性障害と言われているものは
てんかん的側面と精神病性側面を持ち
主な症状はうつ病と躁病であるということになるのだろう

あまりにも暴論なので書くのもつらいが
例えばの話、症状としてうつ病と躁病を呈するてんかんと
言い切っても外れではないはずだし
症状としてうつ病と躁病を呈する精神病と言い切っても外れではないだろう

前者ならラモトリギンを使うし
後者ならアリピプラゾールを使うのですっきりしている
このようにしてみていくと
双極性障害の下位分類ができるはずである
ラモトリギンが効くもの、リチウムが効くもの、バルプロ酸が効くもの、それぞれに特徴があるはずであり
さらに組み合わせるにあたっての特徴があるはずである

症状としてうつ病と躁病を呈するてんかん
とした場合、当然、脳波の話は出てくるだろうが
脳波は正常化されているのだと言えばいいのだろう
そしてそれでもてんかんだと
それは抗てんかん薬が効くからである

以下、ぐずぐずと言い続ける

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双極性障害という疾病単位を認定しようとしているのだけれども
単極性うつ病と関係があるのかなと思うから
うつ病症状を見れば抗うつ薬を投与してしまいそれで治療が迷走するのだろう

うつ病と躁病を呈するてんかんですといえば
みんな素直にてんかんの薬を入れるだろう

またうつ病と躁病を呈する精神病と定義すれば
素直に非定型抗精神病薬を入れるだろうと思う

ただリチウムだけが特殊であるので
リチウムが効く病気として「双極リチウム病」としておいていいかもしれない

つまり、
双極てんかん 
双極精神病
双極リチウム病
くらいに分類できるだろう

ここまで来れば診断も簡単になって
大うつ病エピソードで来院しましたという場合
単極性から双極性の可能性があるので
まずは抗うつ薬で様子を見る
そして躁転があったら双極と分かる

双極と分かったら、抗てんかん薬、非定型抗精神病薬、リチウムに対する反応を見る
それぞれに反応したものを
双極てんかん病、双極精神病、双極リチウム病と呼ぶ
簡単でよろしい

以上暴論でした
2015-02-09 03:01