“この楽器、実は、カラヤンが指揮・演出をする79年夏のザルツブルグ音楽祭の上演で使われるものだったのです。楽員たちがカラヤンに聴かせたのは、音楽祭に先立って収録されたレコーディングでのこと。ファンファーレが終わった瞬間カラヤンはタクトを置きました。厳しい表情で「それはどこの楽器だ?」と聞くカラヤン。「ヤマハで作りました」とヴォービッシュ──。カラヤンが「素晴らしい」と満足の言葉をもらすと、オーケストラ、合唱の間から期せずして拍手が沸き起こったといいます。世界最高の指揮者とオーケストラに折り紙を付けられたヤ

“この楽器、実は、カラヤンが指揮・演出をする79年夏のザルツブルグ音楽祭の上演で使われるものだったのです。楽員たちがカラヤンに聴かせたのは、音楽祭に先立って収録されたレコーディングでのこと。ファンファーレが終わった瞬間カラヤンはタクトを置きました。厳しい表情で「それはどこの楽器だ?」と聞くカラヤン。「ヤマハで作りました」とヴォービッシュ──。カラヤンが「素晴らしい」と満足の言葉をもらすと、オーケストラ、合唱の間から期せずして拍手が沸き起こったといいます。世界最高の指揮者とオーケストラに折り紙を付けられたヤマハ製アイーダトランペットは、ザルツブルグでも輝かしい響きで上演を成功に導いたのでした。”
ウィーンフィル・メンバーとの共同開発|1963~1974|ヤマハ株式会社