“ 廣田:今、まさに広告業界の人が「マイルドヤンキー」って言いはじめていて、ちょっとお気楽すぎるだろうと思っています。特定の層に名前を付けて、そこに消費の可能性があればバンザイ、みたいなことに無責任さを感じます。つまり、ニーズを掘り当てて、そこに受ければいいという話か、ビジョンを持って世の中をこういう風にしていこうよっていう提案のコミュニケーションとふたつあると思うんです。そこに広告マンとしてのスタンスとかあり方が問われているなと感じています。自分たちで価値創造とか言っているだけに、何をもって価値としてい

廣田:今、まさに広告業界の人が「マイルドヤンキー」って言いはじめていて、ちょっとお気楽すぎるだろうと思っています。特定の層に名前を付けて、そこに消費の可能性があればバンザイ、みたいなことに無責任さを感じます。つまり、ニーズを掘り当てて、そこに受ければいいという話か、ビジョンを持って世の中をこういう風にしていこうよっていう提案のコミュニケーションとふたつあると思うんです。そこに広告マンとしてのスタンスとかあり方が問われているなと感じています。自分たちで価値創造とか言っているだけに、何をもって価値としているのかというところもあると思います。
阿部:マイルドヤンキー層は、特に若い男性に関しては極めて権威主義的で、排外主義的で視野が狭い。投票行動は保守的な方向に傾いていて、自民党的なものと親和性が高い。これは多分、アメリカの田舎と似たような構造です。リベラルな考え方は、こういうところからはなかなか出てきません。
電通の人は学歴も高いし、リベラルな人が多いと思うんですけど、マイルドヤンキーのレベルまで降りていって売ることを考えるのか、それではまずいということで別のビジョンを見せて、彼らをより良い方へ導いていくのかというのは、企業が何を目指すかにかかってくると思います。
学者だとある種の政治的信条をもって批判することはできますが、企業と一緒に物を売っていこうという広告会社としては難しい。そういうスタンスの中で広告を作るときに、どこまで批評的な精神を埋め込めるかというのは、これからどれだけ気骨のある広告マンが出てくるかというところにかかっていると思います。