「1日2杯以上飲酒」脳卒中43%増【米国心臓協会】 高血圧や糖尿と匹敵する危険因子  米国心臓協会(AHA)は1月29日、中年期の大量飲酒が脳卒中リスクに与える影響は高血圧や糖尿病などに匹敵することを示す研究を紹介した。Stroke誌に掲載。  この研究は、スウェーデン双生児レジストリーに登録された1万1,644人の中年期同性双生児データ1万1644人(研究開始時60歳未満)を対象に、1967-70年にアンケート調査を実施。さらに、退院記録や死因のデータを含め2010年までの43年間追跡し調査した。被

「1日2杯以上飲酒」脳卒中43%増【米国心臓協会】
高血圧や糖尿と匹敵する危険因子
 米国心臓協会(AHA)は1月29日、中年期の大量飲酒が脳卒中リスクに与える影響は高血圧や糖尿病などに匹敵することを示す研究を紹介した。Stroke誌に掲載。
 この研究は、スウェーデン双生児レジストリーに登録された1万1,644人の中年期同性双生児データ1万1644人(研究開始時60歳未満)を対象に、1967-70年にアンケート調査を実施。さらに、退院記録や死因のデータを含め2010年までの43年間追跡し調査した。被験者アンケートの回答から非飲酒、軽度飲酒、中等度飲酒、大量飲酒、の4つに分類した。
 その結果、追跡期間中に約30%が脳卒中を発症。大量飲酒(1日の平均飲酒量2杯超)群と軽度飲酒群(1日平均2分の1杯未満)群を比較すると、大量飲酒者の脳卒中リスクは軽度飲酒者群より34%高く、50-60代の中年期の大量飲酒者では、遺伝的因子や若年期因子にかかわらず脳卒中発症年齢が5年早かった。
 また中年期の大量飲酒は、高血圧や糖尿病などに匹敵するほど脳卒中リスクを高めることが分かった。ただし、75歳までは高血圧や糖尿病のほうが主要な脳卒中予測因子だった。一卵性双生児のみの分析では、脳卒中を発症した方は発症しなかった方より飲酒量が多かったことから、中年期の大量飲酒は遺伝的素因や若年期の生活様式にかかわらず、脳卒中リスクを上昇させることが示唆された。
 飲酒が脳卒中リスクに影響することは過去の研究で明らかになっているが、年齢による具体的な違いを示したのは今回の研究が初めて。研究者は「まだまだ元気なはずの60代に脳卒中を起こすのを避けるには、1日2杯を越える飲酒はしないこと」と述べている。