“そして大学に入っても、ぼくはずっと数多くの異様に優秀な人々に出会う。でも、それと同時にぼくは、そうした頭のいい優秀な人々の挫折もだんだん目にすることになる。 大学に入って選択肢が広がって、すぐに目先のつまらないタコツボにはまってしまうやつら。頭がよいが故に孤立してしまい、つぶれてしまう人々。優秀すぎるが故に浮き世離れした発想にとらわれて自滅した先輩。ますます多くの仲間たちは、自分の置かれた狭い立場しか見ないようになってきた。日本をよくしたいと思って官僚になったはずの仲間が、いつの間にか自分の役所のせまい

“そして大学に入っても、ぼくはずっと数多くの異様に優秀な人々に出会う。でも、それと同時にぼくは、そうした頭のいい優秀な人々の挫折もだんだん目にすることになる。
大学に入って選択肢が広がって、すぐに目先のつまらないタコツボにはまってしまうやつら。頭がよいが故に孤立してしまい、つぶれてしまう人々。優秀すぎるが故に浮き世離れした発想にとらわれて自滅した先輩。ますます多くの仲間たちは、自分の置かれた狭い立場しか見ないようになってきた。日本をよくしたいと思って官僚になったはずの仲間が、いつの間にか自分の役所のせまい省益しか見ない発言をしていた。
そして高校時代に戦慄させられた同級生や後輩、いまやぼくの遥か先を行っているはずの連中に20年ぶりに会ってみると……その多くは当時と同じレベルで止まっていた。ぼくがずっと追いつこうとしていた背中の多くは、実はそこにはなかった。”