回想療法(life review therapy)は中等度のうつ症状に対して効果が期待できる Life Review Therapy Is Promising for Moderate Depressive Symptoms 高齢者、とくに外向的な人には回想療法(構造化された過去の回想とナラティブ・セラピーに基づいた治療的枠組みを組み合わせた手法)が効果的であった。 回想療法は老年期うつ病に対して有効であることが小規模の試験で報告されている。本研究は、オランダの研究者らが大規模な多施設無作為化比較対照

回想療法(life review therapy)は中等度のうつ症状に対して効果が期待できる
Life Review Therapy Is Promising for Moderate Depressive Symptoms
高齢者、とくに外向的な人には回想療法(構造化された過去の回想とナラティブ・セラピーに基づいた治療的枠組みを組み合わせた手法)が効果的であった。
回想療法は老年期うつ病に対して有効であることが小規模の試験で報告されている。本研究は、オランダの研究者らが大規模な多施設無作為化比較対照試験において回想療法の有用性を検討したもので、現在大うつ病の有無を問わない中等度のうつ症状を呈する55歳以上の成人202例(平均年齢63歳、女性77%)を対象とした。回想療法では少人数(4~6例)のグループ形式で1回2時間のセッションが合計8回実施され、その中で人生について構造化された回想法を行う。回想では、過去の嫌な経験や葛藤への対処、ポジティブな記憶の想起、人生に肯定的な意義を見出すことに焦点が置かれた。患者には別の人生の物語を展開させ、その中では(人生における)過去の選択に責任を取り、将来の目標を立てるよう促した。対照群には通常治療が行われた。
回想療法は通常治療に比べ、治療終了時点および3ヵ月の追跡時点においてうつ症状の軽減に有意に優れ、改善効果は9ヵ月の追跡時点まで持続した。年齢、性別、教育年数、大うつ病の既往、慢性身体疾患、人生における重大な出来事は治療反応性に影響を及ぼさなかったが、内向的な人や退屈から逃れるために過去の想起ばかりを利用している人では治療効果が低かった。
コメント
本研究の対象は中等度のうつ症状を有する成人であり、重症のうつ病患者および自殺のリスクが非常に高い人は除外されている。治療反応率が外向的な人で高かったのは、グループセッションという治療構造が影響したのかもしれない。過去の体験、人生の意味や価値、自己効力感の統合を重視したこの介入法は、中高年者における早期の軽症~中等症うつ病に対して有望な治療法の1つといえる。
—Deborah Cowley, MD
掲載:Journal Watch Psychiatry November 7, 2011