幸せの感じ方によって、遺伝子と健康に及ぶ影響が変わることが、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)内科教授のSteven Cole氏らの研究でわかり、研究論文が「Proceedings of the National Academy of Sciences」オンライン版に7月29日掲載された。  Cole氏らは、健康な成人80人の遺伝子解析を実施し、2種類の幸せの感じ方について評価した。その結果、強い目的意識と人生の意義に由来する幸福度が高い被験者(エウダイモニア的幸福)では免疫細胞に好ましい遺

幸せの感じ方によって、遺伝子と健康に及ぶ影響が変わることが、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)内科教授のSteven Cole氏らの研究でわかり、研究論文が「Proceedings of the National Academy of Sciences」オンライン版に7月29日掲載された。
 Cole氏らは、健康な成人80人の遺伝子解析を実施し、2種類の幸せの感じ方について評価した。その結果、強い目的意識と人生の意義に由来する幸福度が高い被験者(エウダイモニア的幸福)では免疫細胞に好ましい遺伝子発現がみられた。炎症遺伝子の発現レベルは低く、抗ウイルスおよび抗体遺伝子の発現レベルは高かった。
 自己欲求の満足に関連する幸福度が高い被験者(享楽的幸福)では逆に、炎症遺伝子の発現レベルが高く、抗ウイルス、抗体遺伝子の発現レベルが低かった。ただし、享楽的幸福度が高い被験者が持つ感覚は、エウダイモニア的幸福度が高い被験者のそれと差はなかった。
 Cole氏は、「肯定的な感情のレベルはどちらも同程度に高いようだったが、ゲノムの反応は大きく異なっていた。今回の研究で、善行をすることと良い気分になることは同程度の肯定的感情を生み出すが、ヒトゲノムに対する影響は大きく異なることが判明した。幸せの感じ方でヒトゲノムは意識よりもはるかに敏感なことは明らかだ」と述べている。