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こういうことを考えると、カレーを鍋のまま一晩放置したものってのは本当にリスクが高いんだよね。このリスクを減らすには、粗熱が取れたら、すぐに小分けするなりなんなりして、冷蔵庫にしまうしかない。そして、その上、食べる時には念入りに加熱するのが望ましい。
さらに、面白いのは、ウェルシュ菌はただたくさん食べただけではすぐには悪さはしないってこと。胃を通って腸に到達するまではわりと元気にやってるわけだけど、腸で胆汁に出会うと、胆汁は彼らにとって毒性が高いので、やっべ、オレたち死んじゃうって芽胞を作り始める。
で、この芽胞を作る時に毒素を出しちゃうのだ。この毒素で、ウェルシュ菌の食中毒の症状、下痢や吐き気が起きるわけね。
つまり、ウェルシュ菌の食中毒ってのは、食べてからのタイムラグがけっこうあるんだよね。だから、朝に、昨日の夜作った作り置きのカレーを食べると、その日の夕方くらいに体の調子がおかしくなってくるなんて感じになる。
これはつまり、食中毒になっている本人にとっても、原因が特定しにくいって事だ。
普通に昼間働いていて、夕方になって調子が悪くなってきた時、朝食べたのが悪かったって思うのはなかなか難しい。あー疲れちゃったのかな、今日は忙しかったからなとか、どっかでお腹にくる風邪でも貰っちゃったかなとか思ったりする事の方が多いんじゃないだろうか。
それに、健康な大人なら、症状がそれほど強烈には出なくて、なんかちょっと体の調子が良くないなってくらいで収まっちゃうこともあると思う。
だから、実はこれまでウェルシュ菌食中毒になってても、気づかずに過ごしてきたって人も多いんだろうと思う。
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あさイチと、二日目のカレーのウェルシュ菌食中毒