“しかし、ここ10年くらいで、一人称の性質は大きく変わった。知りあいの編集者に聞いたところ、純文学系の新人賞の応募作品は、ほぼ99パーセント一人称だという。〔…〕世界は「私」になり、「私」をそのまま世界に一致させることに抵抗がなくなったし、世界の中にいる「私」を俯瞰するよりも「私」という檻の中から世界を見、「私が傷つき」「私が癒され」ることが最優先になったのである。〔…〕「私」を表現するには、冷徹な自己観察力を必要とすること、「私」の視点でいる限り、いつまでも自分を発見できないこと。「本当の私」をつかむに

“しかし、ここ10年くらいで、一人称の性質は大きく変わった。知りあいの編集者に聞いたところ、純文学系の新人賞の応募作品は、ほぼ99パーセント一人称だという。〔…〕世界は「私」になり、「私」をそのまま世界に一致させることに … Read more “しかし、ここ10年くらいで、一人称の性質は大きく変わった。知りあいの編集者に聞いたところ、純文学系の新人賞の応募作品は、ほぼ99パーセント一人称だという。〔…〕世界は「私」になり、「私」をそのまま世界に一致させることに抵抗がなくなったし、世界の中にいる「私」を俯瞰するよりも「私」という檻の中から世界を見、「私が傷つき」「私が癒され」ることが最優先になったのである。〔…〕「私」を表現するには、冷徹な自己観察力を必要とすること、「私」の視点でいる限り、いつまでも自分を発見できないこと。「本当の私」をつかむに


“スエズ運河にたくさんのルールがあるというのを、今回初めて知った。まず通行料金は、1回につき約1700万円。ちょっと忘れ物をしたから戻ろうか、というわけにはいかない金額だ。仰天した。 すべての船は船団を組んで1列で通行することになっている。そのため、集合時刻が決められており、その時刻に遅刻すると罰金が発生する。例えば30分までの遅刻罰金は通行料全額の3%。1700万円の3パーセントだから、これまた馬鹿にはならない金額である。”

“スエズ運河にたくさんのルールがあるというのを、今回初めて知った。まず通行料金は、1回につき約1700万円。ちょっと忘れ物をしたから戻ろうか、というわけにはいかない金額だ。仰天した。 すべての船は船団を組んで1列で通行す … Read more “スエズ運河にたくさんのルールがあるというのを、今回初めて知った。まず通行料金は、1回につき約1700万円。ちょっと忘れ物をしたから戻ろうか、というわけにはいかない金額だ。仰天した。 すべての船は船団を組んで1列で通行することになっている。そのため、集合時刻が決められており、その時刻に遅刻すると罰金が発生する。例えば30分までの遅刻罰金は通行料全額の3%。1700万円の3パーセントだから、これまた馬鹿にはならない金額である。”