“能は、人生の深淵を覗くとは何かということを問うたドラマなのである。そこにひそむ「負」をもって「再生」を誓うドラマなのだ。” “ワキには誰もがすぐにわかる見た目の特徴がある。面(おもて)をしていないということだ。直面(ひためん)という。これはワキが現実の者であることを告げている。 これに対して、シテはたいてい面をつける。現在に生きていないというアレゴリーを象徴する。これには例外もあって、『隅田川』のシテは現実に生きている老女であったり、『敦盛』のシテのように亡霊でありながら直面であることもある。しかし、
“能は、人生の深淵を覗くとは何かということを問うたドラマなのである。そこにひそむ「負」をもって「再生」を誓うドラマなのだ。” “ワキには誰もがすぐにわかる見た目の特徴がある。面(おもて)をしていないということだ。直面(ひ … Read more “能は、人生の深淵を覗くとは何かということを問うたドラマなのである。そこにひそむ「負」をもって「再生」を誓うドラマなのだ。” “ワキには誰もがすぐにわかる見た目の特徴がある。面(おもて)をしていないということだ。直面(ひためん)という。これはワキが現実の者であることを告げている。 これに対して、シテはたいてい面をつける。現在に生きていないというアレゴリーを象徴する。これには例外もあって、『隅田川』のシテは現実に生きている老女であったり、『敦盛』のシテのように亡霊でありながら直面であることもある。しかし、