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第146段:明雲座主(めいうんざす)、相者にあひ給ひて、『己れ、もし兵杖の難やある』と尋ね給ひければ、相人、『まことに、その相おはします』と申す。『如何なる相ぞ』と尋ね給ひければ、『傷害の恐れおはしますまじき御身にて、仮にも、かく思し寄りて、尋ね給ふ、これ、既に、その危みの兆なり』と申しけり。 果して、矢に当たりて失せ給ひにけり。 ーーーーー 比叡山延暦寺の明雲座主が、人相見(易者)に会われてお尋ねになった。『もしや、私には戦死するような相はないだろうか?』と。人相見は『確かに、その相がおありですね』

第146段:明雲座主(めいうんざす)、相者にあひ給ひて、『己れ、もし兵杖の難やある』と尋ね給ひければ、相人、『まことに、その相おはします』と申す。『如何なる相ぞ』と尋ね給ひければ、『傷害の恐れおはしますまじき御身にて、仮にも、かく思し寄りて...
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“幼児期から診させてもらっている小学4年生の自閉症スペクトラムの女児Aちゃん。学校では時々トッピな行動をして周囲をハラハラさせることがあるが,基本は真面目でルールを厳格に守るタイプ。厳格すぎて周囲から浮いてしまうこともある。落ち着きはないが,勉強好きであまり問題行動もなかった。教師も上手に支援しているようであった。  あるとき担任教師から,暑いと授業中でもTシャツを脱ごうとする,何度注意してもわかってくれない,何か良い方法はないかと相談を受けクラスで面談した。  「どうしてTシャツ脱いじゃうの?」  「暑

“幼児期から診させてもらっている小学4年生の自閉症スペクトラムの女児Aちゃん。学校では時々トッピな行動をして周囲をハラハラさせることがあるが,基本は真面目でルールを厳格に守るタイプ。厳格すぎて周囲から浮いてしまうこともある。落ち着きはないが...
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徒然草第151段:或人の云はく、年五十になるまで上手に至らざらん芸をば捨つべきなり。励み習ふべき行末もなし。老人の事をば、人もえ笑はず。衆に交りたるも、あいなく、見ぐるし。大方、万のしわざは止めて、暇あるこそ、めやすく、あらまほしけれ。世俗の事に携はりて生涯を暮すは、下愚の人なり。ゆかしく覚えん事は、学び訊くとも、その趣を知りなば、おぼつかなからずして止むべし。もとより、望むことなくして止まんは、第一の事なり。 ーーーーー ある人が言うには、50才になるまでに上手にならない芸などは捨てるべきということだ

徒然草第151段:或人の云はく、年五十になるまで上手に至らざらん芸をば捨つべきなり。励み習ふべき行末もなし。老人の事をば、人もえ笑はず。衆に交りたるも、あいなく、見ぐるし。大方、万のしわざは止めて、暇あるこそ、めやすく、あらまほしけれ。世俗...
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徒然草第150段:能をつかんとする人、『よくせざらんほどは、なまじひに人に知られじ。うちうちよく習ひ得て、さし出でたらんこそ、いと心にくからめ』と常に言ふめれど、かく言ふ人、一芸も習ひ得ることなし。 未だ堅固かたほなるより、上手の中に交りて、毀り笑はるるにも恥ぢず、つれなく過ぎて嗜む人、天性、その骨なけれども、道になづまず、濫りにせずして、年を送れば、堪能の嗜まざるよりは、終に上手の位に至り、徳たけ、人に許されて、双なき名を得る事なり。 天下のものの上手といへども、始めは、不堪(ふかん)の聞えもあ

徒然草第150段:能をつかんとする人、『よくせざらんほどは、なまじひに人に知られじ。うちうちよく習ひ得て、さし出でたらんこそ、いと心にくからめ』と常に言ふめれど、かく言ふ人、一芸も習ひ得ることなし。 未だ堅固かたほなるより、上手の中に交りて...
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例年の冬にはあんなにも加湿器に気を使い常に使用していたのに 今年の冬はほとんど使わなかった どうしてなのか自分でもよくわからない 単に暖房の補助手段としていただけで、 普通の暖房手段で暖まればそれで問題ないということなのかもしれない 乾燥を感じたことはあったけれども そのことがひどく辛いという程ではなかった

例年の冬にはあんなにも加湿器に気を使い常に使用していたのに今年の冬はほとんど使わなかったどうしてなのか自分でもよくわからない単に暖房の補助手段としていただけで、普通の暖房手段で暖まればそれで問題ないということなのかもしれない乾燥を感じたこと...
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徒然草第155段:世に従はん人は、先ず、機嫌を知るべし。序(ついで)悪しき事は、人の耳にも逆ひ、心にも違ひて、その事成らず。さようの折節を心得べきなり。但し、病を受け、子生み、死ぬる事のみ、機嫌をはからず、序悪しとて止む事なし。生・住・異・滅の移り変る、実の大事は、猛き河の漲り流るるが如し。暫しも滞らず、直ちに行ひゆくものなり。されば、真俗につけて、必ず果し遂げんと思はん事は、機嫌を言ふべからず。とかくのもよひなく、足を踏み止むまじきなり。 春暮れて後、夏になり、夏果てて、秋の来るにはあらず。春はやが

徒然草第155段:世に従はん人は、先ず、機嫌を知るべし。序(ついで)悪しき事は、人の耳にも逆ひ、心にも違ひて、その事成らず。さようの折節を心得べきなり。但し、病を受け、子生み、死ぬる事のみ、機嫌をはからず、序悪しとて止む事なし。生・住・異・...
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第153段:為兼(ためかね)大納言入道、召し捕られて、武士どもうち囲みて、六波羅へ率て(ゐて)行きければ、資朝卿(すけとものきょう)、一条わたりにてこれを見て、『あな羨まし。世にあらん思ひ出、かくこそあらまほしけれ』とぞ言はれける。 ーーーーー 為兼大納言入道が(鎌倉幕府への謀略の疑いで)召し捕らえられた。武士どもが取り囲んで六波羅探題(幕府による京都の監視機関)に連行する様子を、資朝卿は一条のあたりで見ていて、『あぁ、羨ましい。この世に生きたという思い出。為兼大納言入道のような生き方こそ望ましい』と言っ

徒然草第153段:為兼(ためかね)大納言入道、召し捕られて、武士どもうち囲みて、六波羅へ率て(ゐて)行きければ、資朝卿(すけとものきょう)、一条わたりにてこれを見て、『あな羨まし。世にあらん思ひ出、かくこそあらまほしけれ』とぞ言はれける。ー...
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徒然草第157段:筆を取れば物書かれ、楽器を取れば音を立てんと思ふ。盃を取れば酒を思ひ、賽を取れば攤(だ)打たん事を思ふ。心は、必ず、事に触れて来る。仮にも、不善の戯れをなすべからず。 あからさまに聖教の一句を見れば、何となく、前後の文も見ゆ。卒爾(そつじ)にして多年の非を改むる事もあり。仮に、今、この文を披げ(ひろげ)ざらましかば、この事を知らんや。これ則ち、触るる所の益なり。心更に起らずとも、仏前にありて、数珠を取り、経を取らば、怠るうちにも善業自ら修せられ、散乱の心ながらも縄床に座せば、覚えずし

徒然草第157段:筆を取れば物書かれ、楽器を取れば音を立てんと思ふ。盃を取れば酒を思ひ、賽を取れば攤(だ)打たん事を思ふ。心は、必ず、事に触れて来る。仮にも、不善の戯れをなすべからず。 あからさまに聖教の一句を見れば、何となく、前後の文も見...
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徒然草第164段:世の人相逢ふ時、暫くも黙止する事なし。必ず言葉あり。その事を聞くに、多くは無益の談なり。世間の浮説、人の是非、自他のために、失多く、得少し。 これを語る時、互ひの心に、無益の事なりといふ事を知らず。 ーーーーー 世の人が会う時には、少しの間も沈黙していることがない。必ずそこには雑談・世間話の言葉がある。その話を聞いていると、多くは無益な雑談である。世間に流布している根拠のない噂話・評判、他人の良いことと悪いことについての雑談、自分と相手にとって失うものばかり多くて、得るものは少ない。

徒然草第164段:世の人相逢ふ時、暫くも黙止する事なし。必ず言葉あり。その事を聞くに、多くは無益の談なり。世間の浮説、人の是非、自他のために、失多く、得少し。 これを語る時、互ひの心に、無益の事なりといふ事を知らず。ーーーーー世の人が会う時...
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徒然草41段:五月五日、賀茂(かも)の競べ馬(くらべうま)を見侍りしに、車の前に雑人(ぞうにん)立ち隔てて見えざりしかば、おのおの下りて、埒(らち)のきはに寄りたれど、殊に人多く立ち込みて、分け入りぬべきやうもなし。 かかる折に、向ひなる楝(あうち)の木に、法師の、登りて、木の股についゐて、物見るあり。取りつきながら、いたう睡りて(ねぶりて)、落ちぬべき時に目を醒ます事、度々なり。これを見る人、あざけりあさみて、「世のしれ者かな。かく危き枝の上にて、安き心ありて睡るらんよ」と言ふに、我が心にふと思ひし

徒然草41段:五月五日、賀茂(かも)の競べ馬(くらべうま)を見侍りしに、車の前に雑人(ぞうにん)立ち隔てて見えざりしかば、おのおの下りて、埒(らち)のきはに寄りたれど、殊に人多く立ち込みて、分け入りぬべきやうもなし。 かかる折に、向ひなる楝...