うつ病や事故などによる障害で休職した人の職場復帰を支援するため、厚生労働省が新たな助成金制度を設けることが18日、分かった。復帰する人向けの仕事を用意するなど雇用継続の環境を整えた企業に対し、復職者1人当たり最大70万円を支給。4月から始める。
厚労省によると、精神的な不調で休職した人がいる事業所のうち、復帰実績があるのは約半数にとどまる。厚労省は、うつ病の人や障害者が休職後も働くことができる職場を増やしたい考えだ。
新設するのは「障害者職場復帰支援助成金」(仮称)。働く人が病気や事故などで障害者になったり、うつ病にかかったりして3カ月以上休職したケースが対象となる。
企業が復帰する人の障害や能力に応じて担当できる業務を用意したり、職場に車いす用のスロープを設置したりするなど環境整備を図ることが支給条件。うつ病の人ではさらに、全国の地域障害者職業センターや医療機関による相談などの復職支援を受けることも条件だ。
助成金は、復職から6カ月間雇用が続いた場合、1人当たり35万円(大企業は25万円)を支給。さらに6カ月後にも同額を支給する。厚労省は2015年度当初予算案に約3千万円を計上した。
厚労省の13年の労働安全衛生調査によると、精神的な不調で1カ月以上休職した人がいる事業所のうち、復帰実績がある事業所の割合は51・1%にとどまっており、働き続けられる人をどう増やすかが課題だ。