白鵬33回目の優勝 安岡章太郎「僕の昭和史」

白鵬は大鵬の記録、32回の優勝を上回り、33回目の優勝を、しかも全勝で成し遂げた
テレビで、今後の目標は、双葉山も言う、後の先を極め、名人の域に到達したいというような意味のことを言っていた
いずれにしても、称賛やまず

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安岡章太郎「僕の昭和史」
はじめのあたり、アメリカとの戦争が始まる前の時期、
学生としてどう過ごして、時代をどう感じていたか

知識人は結局無力なものだとか
大学の教師で急に超国家主義になっていった人とか
日本はドイツのどのあたりを真似していたのかとか
(つまり、本質的部分を真似することさえできず、滑稽な具合に描いている)
電車で宮城礼拝をしたり
首相も務めた近衛氏のこととか
その他、内心では無意味なこととうんざりしながら、大勢に流されている様子が描かれている

そしていつのまにか、戦争になっていて、
しかし庶民の暮らしは戦争と平和は地続きで何の変わりもなかったと書いてある
ズルズルと引きずられ、嫌だなあ、おかしいなあと思いつつも、
明確に反対する機会もなく破滅に突入してゆく

まともな人で賛成している人なんか一人もいなかったのに
知らないうちにそうなってしまった