新聞から
中国社会科学院日本研究所所長 リー・ウェイさん
今回の衆議院の解散は、日銀が金融緩和の第二弾を打ち出した直後のことで、
これは安部首相自身が、いまの経済政策はうまくいっていないことに気づいているからだ。
いまのうちに解散しないと長期政権維持が難しくなり、政権にとって不利になると考えたのだろう。
安部首相は第一次内閣で最初に中国を訪問して、
中国に友好的だという印象があったので、
その後、靖国に参拝したり、侵略の定義は定まっていないと発言したりしたことは、意外であり、
失望感も非常に強かった。
村山談話を受け継ぐとしつつも、戦後70周年で新たな談話を出す方針を示している。
談話のどこに重点を置き、過去の談話とどう違うか、注目している。
日本国民が知らないうちに、国の方向を変えていく可能性があるとみている。
台頭する中国を安倍政権は抑止の対象と位置づけた。そのうえで集団的自衛権を容認したのだから、
中国の日本への不信感は増大した。
日本国民が平和を望み、戦争を起こしたくないと思っていることは中国人も分かっている。
しかし、日本政府の一部の戦略エリートは極端に走る傾向があり、危険だ。
日中間にハイレベルの安全戦略対話を構築することを提案したい。
戦略的互恵関係や
危機管理メカニズムと異なり、
双方が時刻の戦略的意図を説明し、不信感を和らげ、相手の行動への懸念を伝える対話の枠組み。
(日本にも中国にもいろいろな立場の人がいて、考えにも違いがあるということだ。
しかし今日本でも中国でも活発なのは、平和のために戦う準備をするという勢力だろう。
この、転がり始めてしまった巨大な二つの力をとめるのは難しいだろうなあと思う。)