採録
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湾岸戦争。1991年にイラクがクウェートを軍事占領した時、日本は米国主導の多国籍軍に自衛隊を派遣できなかったかわりに、巨額の財政拠出をした
130億ドルに及ぶことになった巨額の財政拠出は、ほとんどが米国の戦費に使われ、クウェートに渡ったのはわずか6億円とすこしだった
このように、日本の財政援助のほとんどが、米国の湾岸戦争の経費に使われていたので、クウェートは日本の財政支援のありがたみを感じなかった
その結果、後にクウェート政府が米国など30か国に謝意を表する広告を米紙に掲載した際、日本の国名がなかった
九三年に使途が公表された追加分九十億ドル(同一兆一千七百億円)の内訳をみると、配分先のトップは米国で一兆七百九十億円、次いで英国三百九十億円と続き、肝心のクウェートへは十二カ国中、下から二番目の六億三千万円しか渡っていない。大半は戦費に回され、本来の目的である戦後復興に使われていないのだから、感謝の広告に日本が出てこないのもうなずける。