“例えば、若いサラリーマンが会社で理不尽な目に遭っても、そこはいったん負けを認めたほうがいい。自分に正義があったとしても、相手は組織だしな、しかも組織ちゅうのは、汚い大人の集まりだから(笑)。喧嘩(けんか)するだけ無駄だ、勝てっこない。でも、負けたからといって卑屈になることもなければ、気力を手放すこともないんだよ。 そこはジッと我慢して、自分には『弾ぁ、残っとる』と思い、前を向けばいいわけ」 ーー弾とは……? 「その弾の正体は、自分がこれまで勉強してきたことや、周囲の人たちから受けた愛情や支えだと思えばいい。で、本当に自分が勝負を賭けたい時に、その弾をブッぱなせばいいんだ。その弾が当たらなくても、懲りずに自分には『弾ぁ、まだ残っとる』と粋(いき)がって生きてりゃいい。その繰り返しだよ、男の人生なんてもんは」”菅原文太が“若い連中にもうひとつ伝えたいことがある”