“輸出品目の中で、一番ウエイトを占めているものはなんでしょう?
実は、自動車でも家電でも、アニメーションでもオタク文化でもないんです。
家電も自動車もゲーム機も、いわゆる耐久消費財といわれるものの輸出割合というのは、日本の貿易でいえばたかだか18%くらいしかありません。
最も多いのは、工業用原料と資本財です。
工業用原料はお分かりでしょう。
では、資本財とは?
資本財というのは、商品を作るための材料とか、機械設備といった、産業の基幹を成す材料のことです。
たとえば、半導体チップを作るために高純度のシリコンの単結晶の板が必要になるんですが(これを、シリコンウエハーといいます。)、このシリコンウエハーの世界シェアナンバー1とナンバー2は、日本の企業です。この2社だけで世界シェアの50%を占めるという、とてつもないものです。
金額でいえば、この2社で約6000億円に達します。
それから、ボーイング777などのジャンボジェットの外装材、扉、翼の付け根の骨格などは、三菱・川崎・富士の3重工がシェア独占です。ジャンボジェットの2割は日本製ということになります。
あまり知られていないのでは、原子力発電所の釜を構成する鉄の板は、日本製だとか。
大きな一枚の分厚い板を製造する技術は、今のところ日本しかないようです。
日本の輸出品の約7割が、こういった工業原料と資本財だということなんです。
こんなもんに比べたら、車の輸出量なんてわずかなもんです。”
日本の輸出品一番は自動車じゃないんですよ