“ウィーンの地下鉄では未遂を含め年1,2件程度だった自殺者が報道の影響からか1984年頃から急増し、ピーク時には未遂を含め年20件程度まで増えた[3]。その後1987年に精神保健の専門かが自殺報道の方法を定めたガイドラインを策定し、大新聞がこれに従うと、自殺数が目に見えて急減し、再び年1,2件程度まで下がった[3]。”
— ウェルテル効果
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自殺に関する報道の在り方については日本のみならず他国や国際社会において問題視されてきた。それは、遺族の人権やプライバシーの問題は無論のこと、自殺報道が次なる自殺の呼び水となってしまうことが散見されたからだ。逆に、報道を控えることによって、自殺率が大きく減少したという実例もある。
そのようなことから、WHOや各国政府は自殺報道の在り方についてガイドラインを提示している。ここでは、WHOのガイドライン(WHO PREVENTING SUICIDE A RESOURCE FOR MEDIA PROFESSIONAL http://www.who.int/mental_health/media/en/426.pdf )
から「何をすべきではないのか」のリストを抜粋する。
WHAT NOT TO DO
• Don’t publish photographs or suicide notes.
• Don’t report specific details of the method used.
• Don’t give simplistic reasons.
• Don’t glorify or sensationalize suicide.
• Don’t use religious or cultural stereotypes.
• Don’t apportion blame.
つまり、簡訳すると次のようになる。
・自殺者の写真や遺書を報道してはいけない。
・自殺の方法や詳細を報道してはいけない。
・自殺の理由を単純化して報道してはいけない。
・自殺を美化したり、センセーショナルなものとして扱ってはいけない。
・責任の追及しない