精神科医というものは
白衣が似あってもいけない
スーツとネクタイが似あってもいけない
おしゃれな普段着が似合ってもいけない
かといって
患者さんに悪印象を与える服装や外見ではいけない
難しいところがある
年齢に応じて管理職となり貫禄が出てくるのもいけないし
いつまでも若いままでもいけない
アタマが悪いのは良くないが
アタマが良すぎても患者さんは安心しない
難しいものである
自分の理論に自信を持ってもいけないが
自信がないのも良くない
体制派でもよくないし
反体制派だと迷惑である
立派な精神科医というものがいたとして
その存在のあり方は立派なのかどうか怪しい
患者さんとの距離は近くても遠くても中間でも
また臨機応変でも最善とはいえない
こういうことに悩んでもいけないし
悩まないのも無神経である
何も考えないようでいて
深く考えているようでもあり
しかしたださらさらと風に吹かれている空っぽの風船のようである