“ 「帰ってきたばかりのころは、なるべく睡眠時間を削るようにしていました。何しろ30年欠落しているんですから。知識を詰め込まなくては追いつけない。でも知識はまだいい。少しずつでもカバー出来るから。一番の問題は、周りの人間が自然に覚えているものがないってこと。日本語は知っているが、日本のことを知らない外国人が日本に来たばかりのところを想像してください。僕は、いつもコインの表裏を見ましたから。数字のところを見ないと100円だか、10円だか、分からないんです。どんな子供でも大きさと色で分かっていることが、僕には分からない。30年が飛ぶというのは、そういうことなんです」”
小野田さん最後のインタビュー
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“大まかに定義すると、コラムというのは対象寄りのものなんですよ。例えばコーヒーについて書きます、といった主題を与えられて書くのがコラムです。「コーヒーから見る世界の貿易」「コーヒーがつくる人間関係」みたいなものがコラム。一方、エッセイというと「コーヒーと私」みたいなものなんです。「私のコーヒー遍歴」とか「私の恋を彩ったコーヒーたち」みたいな「私」「私」な文章で、とにかく誰が書いたか、というのが非常に重要なのがエッセイです。”
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現在のネットは「群集」を生成する装置になっている