「あなたは海を見に行こうとして足をくじいただけ。
海を見に行こうとしたことが悪いんじゃない」
海辺の町の
えぼし岩が見える部屋で
そんなひとこまがあった
今は全てから遠く離れて生きている
なんと遠くはなれてしまったことだろう
しかし今日東京に雪が降り
吐く息も白い中で
子供時代から青年時代のあれこれ、小さな場面がフラッシュバックする
別の生き方がある
その思いがまた胸をよぎる
いつも自分を肯定しきれずに生きている
そのようにして晩年にいたり
何も変わらない
ただあとがなくなっただけだ
40歳で結婚、3児に恵まれ幸福だった医者が、48歳で不治の病でなくなる
その手記が翻訳されている
また最愛の子供を病で失い悩み続ける牧師の手記も翻訳されている
「不幸に悩むのはあなただけではない、もっと大変な人がたくさんいる」「だから」「元気になって」
現代のヨブの物語である
「あなたは海を見に行こうとして足をくじいただけ。
海を見に行こうとしたことが悪いんじゃない」