個性が様式になる時 画家 河野通勢

河野通勢という画家がいて
検索をすればいろいろ出てくる

長野の出身の人で父親は画家兼写真家
小さな頃から画集を模写して腕前を磨いたらしい

父はギリシャ正教の信者で
河野通勢も洗礼を受けた
20歳ころを中心として長野の風景を描き始め
コローに似た感じで始めたのだが
細密描写に傾き、なかなか鬼気迫るものになってゆく
3年くらいでその『天才時代』は終了し、
東京に出て画業を続ける
落ち着いた画風になり、
長野時代がヨーロッパからの直接の影響とすれば
東京時代は江戸絵画の影響ともも言える

また挿絵画家として人気を博した

自画像をたくさん書いているのでその中にある程度の変化を感じることもできる

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大変浅薄な予想をすれば
長野の天才時代は、統合失調症傾向と強迫性傾向との両方と隣り合わせの時代だったのだろうと思う
その時期に関根正二と出会い、関根に大きな影響を与えている

精神病理の最大の危機を乗り越えて東京時代の安定が訪れる
それは自分の道を見出した安定であるが
一方で長野の天才時代の激しさはない

池田満寿夫が個性が様式になったと評している