話を聞けば聞くほど
どの人も充分に不幸なのである
どうしようもない
こんなに短い人生で
こんなにも不幸が詰まっているとは
やはりどこか根本的に
間違っているような気がする
かといって
命があって食べ物も手に入る、今日も生きられる、
それで充分にありがたい
とはなかなか思えないのが現実である
個人の内部の殺伐としたこころの風景を見ていると
(幸い、相談に来る人は、殺伐としたこころの人に傷つけられた人で、その人自体は殺伐としていないことが多い)
軽薄でどうしようもないテレビとかでも
時間をつぶすにはいいものなのだと考えるようになった
テレビに向かって怒っている間は少なくとも周りの人を傷つけないだろう
そしてまた
苦しみを類型化して分類すると
無限種類ではないのが不思議ではある
みんなだいたい同じようなことでつまずいて苦しんでいる