ブルーのラインは、あるテクノロジーが必要もなく肥大化

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ブルーのラインは、あるテクノロジーがユーザーの要望を聞きながら進化していくうちに、ブルーのラインは、あるテクノロジーがユーザーの要望を聞きながら進化していくうちに、(声がでかいパワーユーザーの声ばかり聞こえてくるために)その要求を通りこして必要もなく肥大化してしまうことを示している。


そうしているうちに、赤い線で示したdisruptive technology (破壊的テクノロジー)と呼ばれる、機能的には遥かに劣るが、格段に小さかったり安かったりするテクノロジーが現れ、市場を奪ってしまう、というセオリーである。この本は、5インチハードディスクに対する3.5インチハードディスクに始まって、さまざまな例を挙げて、なぜ勝者が必ずしも勝ち続けることが出来ないかを丁寧に説明している。

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音楽媒体で言うと上の図

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オフィスで言うと上の図

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ゲームマシンで言うと上の図

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という前提で考えると
先行する巨大技術は精神分析
正直言って巨大になりすぎ緻密になりすぎた
新しく現れた破壊者は認知療法というdisruptive technology
理論的には遥かに劣るが、格段に学習しやすく従って安上がり
自動車学校の講習と同じくらいだ

フロイトはマルクスとマックス・ウェーバーと並べられる知的偉人
人類の世界観や人間観を変えた人だ

認知療法にはそのような知的なインパクトはなくて
治療技術の側面が強い
骨折の治し方と比較できるくらいのものだ

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驚いたことにそのような認知療法がすでに追われる立場なのである
不思議なようなものである

呼び名もすでに行動療法を包含して認知行動療法と呼ぶようになった
厚労省のマニュアルなどでは
認知療法や行動療法にとどまらず周辺の各療法を統合化する姿がはっきり見えている
統合する分、原理原則が弱くなる

DSMに書かれている症状で定義された疾患に対して
といいながら密かに、治りそうな患者だけ選別し
各種心理チェックの点数を改善すれば
といいながら、ひどい場合には自分たちで恣意的なテストを作り
そうすれば
お金がもらえるという仕組み
アメリカならば医療保険会社の支払いのしくみに合格すれば良い
アメリカで合格していれば
時間がたてば日本でも採用される

当然のことながら認知・分析療法という統合派を自称する人もいたりして
なかなか興味深い

一体認知療法と精神分析の何をどう統合するのかと思うけれども
そこはやはり遅れてきたものの強みでイイトコどりができるのだ

まともな治療者ならば他の一切の治療法を否定するなんて言うはずもなく
適切な場面で適切な統合を
意識してか意識せずかは場合によるが
しているはずである
柔軟に統合しているはず
すでにやっていることなのだ

だとすれば、どの場面ではどの方法が適切であるという、
組み合わせのしかたの理論の優劣があるはずで
それは精神分析や認知療法よりも
もう一つ次元の高い理論であるはずである
単にお金の問題とか時間の問題とか言うのは論外である

必要に迫られてその理論を求めているのだが
今のところ何も思いつかない

症状で分けるのが原始的だがあまりに愚鈍である
背景にある性格構造で考えるのは精神分析寄りになるので採用しにくい
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昔は、感覚と知覚と認知の差とか話していたものです
sense,perseption,cognition,recognition
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統合という話で言えば
薬剤の合剤を使う話はずっとある

オランザピンとフルオキセチンの合剤をさっさと作ってさっさと売る会社もある
その場合、混ぜ方の論理とか哲学なんか、どこにもない