“ 現代日本においても、平成になったあたりから人生のクリティカルポイントが自由になったため、やたらと混乱しています。昔は「誰とでも結婚する時代」だったのに、最近は「好きな人と結婚する時代」になりました。圧倒的に自由になったように思えますが、結婚できない人が急増しました。 「誰とでも結婚する時代」なら、親、親戚、世話焼きの仲介人などの言うとおり、2回会うかどうかで結婚を決めてたのに、自由な結婚市場ができてしまうと、そんなんで決断する人はいなくなってしまったからです。自由って圧倒的にめんどくさいんです。

現代日本においても、平成になったあたりから人生のクリティカルポイントが自由になったため、やたらと混乱しています。昔は「誰とでも結婚する時代」だったのに、最近は「好きな人と結婚する時代」になりました。圧倒的に自由になったように思えますが、結婚できない人が急増しました。
「誰とでも結婚する時代」なら、親、親戚、世話焼きの仲介人などの言うとおり、2回会うかどうかで結婚を決めてたのに、自由な結婚市場ができてしまうと、そんなんで決断する人はいなくなってしまったからです。自由って圧倒的にめんどくさいんです。
就職も全く同じです。昔は「どこにでも就職する時代」だったのに、今は「入りたい会社に就職する時代」になりました。革命的に自由になったように思えますが、仕事を得るために求められる費用や手間やエネルギーは何十倍にも増えました。
ちなみに昔の就職がどんなだったか、これ読んでみてください。ちょっと感動しますよ。
→ 「時代と共に幸せに」
> いま思い出してみると、入社面接でのやりとりはこのようなものであった。
> まず伊藤社長と母との応答であった。
> 「大切なお子さんを預かることになるが、心配はありませんか?」
> 「ええ、大丈夫です。」
> 「東京での生活に不安があると思いますが、東京にはご親戚などいらっしゃいますか?」
> 「弟が葛飾区の水元小合町におりまして、連れ合いの姉が世田谷区北沢におります。」
> そして私の番がきた。
> 「小売業はとても大変な仕事で、朝早くから、夜遅くまで働かなくてはならないが、やっていける自信はありますか?」
> 「ハイ!」
> 「希望する仕事はありますか?」
> 「事務系の仕事を希望します。」
> 簡単な応答の最後は伊藤社長の一言で締めくくられた。
> 「就職担当の山田先生からもよく頼まれています。ご心配なく。」
> 私は晴れてヨーカ堂の社員になったのである。
どう??
こーゆー面接で採用が決まるわけですよ。そしてこの人は、この後46年この会社で働くことになる。46年ってほとんど半世紀ですよ。「お子様を預かります」で46年。すごい長い期間、預かっちゃったね。
1959年というのはそういう時代だったんです。
時代ってすごい。
自由のありがたみを感じる個人、感じない組織