”日本のお役所は「一般大衆に細かい情報なんか教えてもどうせパニックするだけだから、出さない」と 思ってるんだと思う。つまり一般人をどうしようもなくバカ扱いしているのである。 たとえ状況がそれほどヤバくないとしても、政府 (か東電、あるいはその両方) の あの人をバカにしたような情報の出し惜しみは叩かれてもしょうがないよな。
しかし哀しいことに、今回は政府のほうが正しく、日本人は本当にパニックするだけかもしれない、 とも思うのである。詳細なデータを有効に使いこなすには、それ相応の訓練が必要なのだ。 訓練していなければ、情報の海におぼれ死ぬのがオチである。 いつも思うのだが、日本人は数値的なデータをもとに客観的に議論する練習をしていない。 学校でもマスコミでもそういう風習がなく、あるのはひたすら感情論だけ。 あまつさえ、詳細な情報を出すと「一般人を混乱させる」とかいって 怒りだす連中がいる始末。 本来なら、日本は国際的な批判に対してデータをもって応酬しなきゃいけないのに、 ぜんぜん国内にそういう雰囲気がない。これは原発だけじゃなく、捕鯨とか、 慰安婦その他の「謝罪と賠償」問題にしたってそうである。 「うちの学術調査ではこれこれこういうデータが出ております」という 議論をやって、中国や韓国とまじめに張り合わなければいけないのだ。 怒ったり謝ったりといった反応をしているようじゃ終わってる。 しかも一般人にそういう意識がなければ、役人が頑張ってもたかがしれている。 そういう意味で、今回の件も悪いのは必ずしも政府や東電だけじゃなく、 「データを使いこなすに値しない」レベルの国民も悪いと思う。 そしてテレビをつければ、まだ「カワイイ」か「キモイ」か「ムカつく」「感動した!」とかいうレベルの 価値判断に終始している歳をとった人間が沢山いるわけだ。 今後もまだまだ先は長いのだろう。
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