"震災後の仙台を歩く –
ほとんどすべてのコンビニや、一部の閉店したファストフード店が、なぜか窓にベタベタと新聞紙やボール紙を隙間なく貼っている。「あれなんなの?」とワッシュ君に訊いた。「盗難をふせぐためらしいです。店内を見られないようにしないと、泥棒に狙われるんで」
それは、私の地元にはない光景だった。中をのぞかれないようにびっしりと貼られたスポーツ紙に、この街の切実さや深刻さが見えたような気がした。
「でもね、ナイフを持った外国人とか、そんなのどこにもいないですよ」とも彼は言った。「この街に来てもいないやつが、知ったかぶりしてデマ流すのを見ていると本当に腹が立つ。なにが『知り合いから聞いた話だけど』だ」とも。そうした真偽不明な情報を、嬉々として流す芸能人のブログがいくつかあった。"