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大新聞の報道が信じられない。そんなサラリーマンは多いだろう。検察のリークを垂れ流したり、
消費増税は賛成の論陣を張りながら「新聞は据え置きで」と訴える。もうムチャクチャだが、
この世論調査も怪しい。6割以上がTPPに賛成し、安倍内閣の支持率も7割を超えるというのだ。
安倍首相のTPP交渉参加を受け、18日の新聞各紙は、土日に実施した世論調査を大々的に報じた。
それによると読売で60%、毎日は63%、朝日では71%が安倍の姿勢に賛同しているという。
内閣支持率も読売、毎日で70%を超えた。朝日でも65%と高い。6年前に参院選で国民にダメ出しされ、
体調を崩して入院した政治家だ。普通だったら、とっくに引退している。
いくら株価が上がっているからといっても、これほど支持されるのはおかしい。どこか狂っている。
TPPの結果も変だ。地方議会を見ると、東京、大阪、山梨を除く44道府県が反対か慎重の決議をしている。
知事で賛成と言っているのも、大阪、愛知、埼玉、静岡、広島、大分の6府県だけ。
市町村議会は9割が反対だ。逆立ちしたって「7割が容認」なんて数字は出てこない。
ジャーナリストの青木理氏が言う。
「全国紙の社説を読むと、朝日から産経までTPP賛成一色です。書いているのは、恐らく政治部や経済部に所属し、
永田町や霞が関をグルグルと回ってきた人たち。何よりも日米関係が大事と洗脳され、論説委員となった。
そう考えると、論調が同じになるのもうなずけます。でも、地方紙は違う。ほとんどが反対の論陣を張っているし、
力が入った社説も目に付きます。農家の実情を知り、地元の声に耳を傾けているので、地に足のついた主張を展開しているのです」
それでも「賛成」が多数となるのは、人口が都市部に集中しているためだ。日本では、国民の4割が首都圏に住んでいる。
農業を営む人も少なく、「工業製品が売れる」「輸入品が安くなる」と言われると、悪くないと思ってしまう。
推進派の大新聞は、不都合な真実を報じようとしないから、なおさらだ。サンプル数だって、たかだか1000程度。
それで結論を導くのは、全国世論の捏造に近い。
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